「特殊部隊も、対テロ作戦とは別に、最も難しい人質救出の訓練、隊員のメンタルの訓練も欧米並みにやる必要がある」(大泉氏)

 対サイバー攻撃はどうか。米国で諜報任務経験があるDr.Aki氏は言う。

「日本の原発は独自のシステムで、入り込むのは困難。アノニマス程度だと無理。ISには高度なハッカーがいるが、システムの把握には内部協力者が必要で、2、3年はかかる」

 だが弱点がある。青山氏は指摘する。

「原発内部に入り込む協力者の脅威に対しては弱い。法の不備を突かれてすでに『北』が入り込んでいる。警察も、把握していても手出しできていないのが現状です」

 では、ISはどうか。

「ISはまだ本当の勧誘、組織力を日本に浸透させていない。抑え込めるかが今後の課題です」(中東調査会の高岡豊上席研究員)

 テロの脅威はすぐそこまで来ている。(取材班=鳴澤大、西岡千史、牧野めぐみ、松岡かすみ、秦正理/今西憲之)

週刊朝日 2016年4月8日号