1階は休憩室で、15脚ほどのソファベッドに、大型テレビが置いてある。食事もできるようだが、厨房では女性スタッフが暇そうにしていた。男性スタッフと韓国語で会話している。スタッフはみな韓国人のようだ。柴田理恵似のスタッフに声をかけてみた。

「この時間は混んでるときもアルけど、今日はかなりすいてるほう。芸能人? そこそこ来ルヨ」

 具体的な名前こそ聞けなかったが、芸能人御用達のようだ。食事のメニューを見てみれば、たしかに卵焼きが千円、焼き肉定食が2500円とお値段はセレブ仕様。さて、清原容疑者はよく通っていたのだろうか。

「よく来テタヨ。(逮捕は)ビックリしたネ。最近は清原のことを聞きに来る人ホント多イ。来テタときはなんてことない、普通ダッタ」

 清原容疑者に思いを巡らせていると、白いガウンを着た色黒の中年男性がやってきて、くぐもった声で冷麺を注文。冷麺は1500円。勢いよく音を立てて食べている。腕には金色のブレスレット。食べ終わるとマンガ雑誌を片手に記者を一瞥し、再びサウナへ戻っていった。

 それぞれの客がただならぬ空気をまとっている深夜のサウナ。居心地の悪さを感じた小心者の記者は、嫌な汗をかいて店を出た。

週刊朝日 2016年2月26日号