AIに仕事を奪われる?(※イメージ)
AIに仕事を奪われる?(※イメージ)
人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業(資料:(株)野村総合研究所 ニュースリリースより)
人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業(資料:(株)野村総合研究所 ニュースリリースより)
人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業(資料:(株)野村総合研究所 ニュースリリースより)
人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業(資料:(株)野村総合研究所 ニュースリリースより)

 AIはご存じか。愛じゃございません、今、話題の「人工知能」──。最近は言葉も理解し始め、われわれの仕事を奪いつつあり、働き方はいずれ、大転換するという。

 一方、あえて全面的にAIに頼らない例もあった。

「知能列車」を開発中の鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)の判断だ。

 この列車は、前方の障害物検知、運転士の眠気度検知など各部分を「子知能」が見張り、全情報が集まる「親知能」が総合的に判断し、運転士を支える仕組みになっている。佐々木君章主管研究員はこう説明する。

「AIが学習した過去の情報が総合判断に影響を与えることを避けたい。瞬時に複雑な判断がいる事故時などは、そのときの条件だけを突き合わせて判断しないといけない。だから親知能は、我々の実際の知見を集めた『巨大な判定テーブル』にとどめました」

 この例も参考にAIに負けない仕事はどんなものか、と検証してみた。

「最後までなくならないのは、お客様に謝りに行く仕事とか。非常に精巧なロボットが来て上手に土下座しても、おそらく逆に怒りの火に油を注いでしまう。結局、監督とか責任の部分は人間が必要になるのでは」(AI研究者の松尾豊・東京大学特任准教授)

 バーテンダーやソムリエ、映画監督、幼稚園の教員など「人との対面」が基本の仕事はやっぱり人間だ。駒沢大学の井上智洋専任講師(マクロ経済学)も「クリエーティビティー、マネジメント、ホスピタリティーが必要な職種は人の仕事になる」と予想する。

 商機も生まれてくる。例えば、天候や温度に合わせた対応が必要な農業だ。過疎地域の農家でも、AIロボットを導入すれば「一騎当千の作業員」を得たに等しい。あとはどんな味や形の農産物にするかなど、企画が人間の仕事になる。

 つまりAI時代に勝ち抜く仕事とは「人の感情と向き合う」「同じ内容の繰り返しではない」、そして「売れるモノを生み出す」という三つがポイントなのだ。

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