故・平良とみ 戦前から“沖縄”を体現し続けた「おばぁ」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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故・平良とみ 戦前から“沖縄”を体現し続けた「おばぁ」

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週刊朝日#お悔やみ
平良とみさん=2007年2月 (c)朝日新聞社

平良とみさん=2007年2月 (c)朝日新聞社

 NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」(2001年)のおばぁ役で知られる沖縄の俳優、平良(たいら)とみ(本名・トミ子)さんが12月6日、敗血症による呼吸器不全のため亡くなった。享年87。「沖縄芝居」の第一人者として、本土と沖縄をつなぐ「やさしいおばぁ」として活躍し続けた。

 沖縄戦の映画「GAMA 月桃の花」では、村の祭事を司る神女(ノロ)カミおばぁを演じた。米軍の猛攻から逃れ、洞窟に身を潜める住民と日本兵。漆黒の闇に赤ん坊の泣き声が響く。「敵に見つかる。泣きやませろ!」と銃剣を手にした日本兵に、カミおばぁが詰め寄る。

「神聖な御嶽(うたき)の木を切り倒し戦争を始めたのは、お前たち、大和(ヤマト)の兵隊ではないか。兵隊なら兵隊らしく出ていって戦ったらどうか。神の罰が当たったのだ!」

 映画の制作者で、音楽家の海勢頭(うみせど)豊氏が語る。

「平良さん出演の舞台『洞窟(ガマ)』の映画化。カミおばぁの役は彼女しかいなかった。兵隊を怒鳴りつける時、小さな身体から気が発しているのが伝わります」

 平良さんも地元の雑誌の取材でこう答えている。

「この役は舞台の上で、もう何十年もやってきましたから、私には特別なもの」

 舞台、映画双方の脚本を手がけた沖縄の作家、嶋津与志(つよし)氏は無念そうに語る。


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