二階:……(無言でニヤリとし、一同笑)。

稲田:私はそういうものだと思っています。でも、なろうと思ってなれるものじゃない。タイミングとか運とか、実力や人柄。いろいろ組み合わされないと。

大下:でも、女性首相ってまだいないわけですから、第1号候補と言われるのはすごいことですよ。

林:昔と違って、派閥の領袖でなければ首相になれないということはなくなったわけですから、そういう意味で現実味が相当ある。

二階:それはもう、可能性は十分にある。

稲田:アハハ。そうおっしゃいますけど、そう簡単なものじゃないと思いますけどねえ。

二階:中曽根康弘元首相も、あの方は素質も力量もあったからだろうけれど、誰も世間の人が考えてないころから「おれは首相になる」って言っていた。あっぱれなことだし、結局、あらゆる困難を乗り越えてその道を行ったんだよね。稲田さんも、そういう志は持っていたほうがいい。

大下:二階さんがバックアップしたら完璧だけど……。

二階:……(一同、二階氏に注目するが、無言で鍋を黙々とつつく)。

大下:二階さんが次期首相になるんじゃないかと書いた週刊誌も最近あり、にわかにそういう声が出ている。

二階:そんな気は全くありませんよ。私もだいたい、この政界に長くいたからね。多少、人を見る目は持っているつもりです。自分を見る目も朝、昼、晩一緒に暮らしているわけだから、持っていますよ(一同笑)。

(構成 本誌・小泉耕平、上田耕司、長倉克枝)

週刊朝日 2015年12月25日号より抜粋