さすがの「ウルトラセブン」も…(※イメージ)
さすがの「ウルトラセブン」も…(※イメージ)

 衰えとともに高まる事故のリスクから注目されている、高齢ドライバー問題。本誌連載「ヘルプマン!!高齢ドライバー編」も反響を呼んだ(現在刊行の『ヘルプマン!! Vol.2』で前半部分が収録)。当事者たちはどう対応しているのか。1967年、「ウルトラセブン」の主演で人気を博した森次晃嗣さん(72)に話を聞いた。

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 車は大好き。30歳くらいで免許を取りました。ちょっと遅めでしょう。本当は20代で取りたかったけれど、24歳のときに「ウルトラセブン」でモロボシ・ダン役を演じたことから忙しくなって。教習所に行っては途中で断念、また通ってを繰り返し、3回目でようやく取れました。

 若い頃は、自分で運転して仕事場まで行っていたんですよ。東京での仕事が終わった足で、京都の撮影所まで8時間くらいかけて行ったこともある。途中、米原(滋賀県)で雪が降って立ち往生したこともあったなあ。

 最初の車は、トヨタ・コロナの2ドアハードトップ。初心者だったので、まずは中古で購入しました。その後はワーゲンやルノーやベンツ、日産フェアレディ……と、いろいろ。スポーツカータイプのものが好きだったね。自宅のある藤沢(神奈川県)の海岸を、好きな音楽をかけながらオープンカーで走るのは、最高に気持ちがいい。

 でも今は、仕事に行くときは電車も使います。60代後半になったころからかな、長時間運転すると目が疲れてくるようになって、それまでよりも運転がしづらくなった。車で行くと妻も「大丈夫?」と心配するし、電車なら渋滞に巻き込まれて時間に遅れる恐れもない。駅の中を歩き、階段を上り下りするって健康にもいいじゃない。こんなふうに体を動かしていると、「ああやっぱり昔とは体の動きが違う」とも気づいた。

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