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 好きな人を見つめながら、ほんのり頬を染める。ショックなことを目撃して顔が青ざめる。鼻の頭を真っ赤にして、子供みたいに泣きじゃくる……。瞳の輝きや台詞の言い回しだけでない、そんな、“皮膚の芝居”が心に残る。芳根京子さんは一昨年、ドラマ「ラスト・シンデレラ」で俳優デビューし、翌年はNHK連続テレビ小説「花子とアン」で仲間由紀恵さん演じる蓮子の娘役を演じた。先月終了した連続ドラマ「表参道高校合唱部!」では主演。デビューからわずか2年半の間に、映画主演も舞台も経験した。それらの役のほとんどは、オーディションで勝ち取ったものだ。

「スカウトされたのは3年前、高校1年生の夏です。中学のときは、とにかく部活に夢中でした。吹奏楽部でフルートをやっていたんですけど、7時に家に帰って、ご飯食べてお風呂に入って、明日の準備をしたら、9時にはもう寝ているような生活(笑)。だから、テレビドラマをほとんど観たことがなくて」

「ラスト・シンデレラ」のオーディションに受かってから初めて、共演の篠原涼子さんの出演作品を観ることに。以来、俳優としても人としても、篠原さんが憧れの人になった。

「でも、最初の1年は、オーディションに受かっても、『受かったから来ました』『やれって言われたからやりました』みたいな感じで、右も左もわからなくて……。それが全力ではあったんですけど、具体的な欲とか目標みたいなものはまったく持てずにいました。ただ、もともとみんなで力を合わせて目標に向かう行為自体は好きなんです。そこは、中学のときの部活で鍛えられたので」

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