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 作家の北原みのり氏は、東方神起のコンサートに出かけたという。

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 先日、バンコクで行われた東方神起のコンサートに行った。1万人以上の観客には中国、韓国、シンガポールや日本からのファンも少なくなかったが、8割以上は若いタイ人女性だ。驚いたのは、彼女たちの多くが、東方神起と共に韓国語で歌を歌っていたこと。

 改めてK−POPの力を思う。日韓関係の難しさが大きく取り上げられているけれど、こんな風に女たちが国境を超えて韓国語の歌でつながって、好きな男を前にくらくらしている現実を目の当たりにすると、別世界を生きているような錯覚をする。ここは平和。絶対に失いたくない、平和。

 いま、日本の東方神起ファンは、恐らく、世界に類を見ない「混乱」の中にいるようにみえる。

 例えば、「東方神起はJ−POPなのだから、J−POPとして応援しましょう!」と敢えて言いたがる人が少なくない。東方神起は日本では日本語で歌い、日本語で話してくれる。だから彼らは韓流ではなく倭流なの、という言い分だ。そんなファンの中には、東方神起への熱い想いを語ると同時に、韓国社会や文化への嫌悪や侮蔑を平気で口にしてしまう人もいる。

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北原みのり

北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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