一難去ってまた一難の籾井勝人NHK会長 (c)朝日新聞社 @@写禁
一難去ってまた一難の籾井勝人NHK会長 (c)朝日新聞社 @@写禁

 2014年5月に放送されたNHKのクローズアップ現代「出家詐欺」のやらせ問題でNHKの調査委員会は4月28日、「過剰な演出」があったという調査結果をまとめ、担当した記者らの懲戒処分などを発表したが、騒動は収束しそうにない。

 同番組で「出家詐欺の主犯」と紹介された男性がNHKを訴えることが、本誌の取材で明らかになった。

「NHKは私を主犯というならなぜ取材に来ないのか。ウソばかり放送して、本当に腹が立ちます」

 こう訴えるのは、三浦道明(みちあき)被告(50)。NHKが「出家詐欺」のきっかけと放送した事件で13年、逮捕された滋賀県の「定光坊(じょうこうぼう)」の元住職だ。詐欺の手口は、融資が受けられるように多重債務者を出家させて名前を変え、ローン契約を結ばせてカネを手に入れるというものだ。

 NHKが放送した「出家詐欺」の特集では、事件の中心人物は三浦被告で、だまし取った多額のカネを手にしたような構図が解説されていた。

 だが、詐欺グループの逮捕者は複数おり、すでに一部は有罪判決が確定している。その公判で、三浦被告が出家料50万円のうち10万円しか受け取っていないことが判明した上、詐欺のために多重債務者を集めていたブローカー役は、三浦被告の実弟とその関係者だったとされている。

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