俳優・橋本さとしから学ぶ“◯◯風”から本物になる方法

2015/04/09 16:00

「ピンでやっていくことに、試行錯誤した時期もありました。でも、2004年に『ミス・サイゴン』のエンジニア役で、初めて帝国劇場の舞台に立った。劇団を辞めていなかったら、現在のような形で帝劇の舞台には立てなかった。人は何かを失ったとき、それに固執してしまうと前に進めなくなる。でも、前さえ向いていれば、その“喪失体験”は、未来の肥やしになるんだとわかって」

 劇団を辞めたことで理解できた“本来の自分”もいた。新感線時代は、若さに任せて強面を演じていたところがあったのだとか。

「でも、自分自身を演じなくてよくなったときに、やっと演者としての自覚が得られた気がします」

「こんなこと言ったら、(演出家の)いのうえひでのりさんに怒られるかもしれないですけど」と前置きしながら、「新感線の舞台って、“◯◯風”なんですよ」と橋本さんは言う。

「ロック風、オペラ風、歌舞伎風……。基礎なんかないまま、◯◯風を真面目にやってただけですが、続けていたらそれがオリジナルになってた。“どんなことも本気でやる”姿勢は、新感線で鍛えられました」

 昨年初演された韓国発ミュージカル「シャーロック ホームズ」では主役のホームズを演じた。今回上演されるシーズン2では切り裂きジャックと対決する。

「ずっと“◯◯風”でやってきた人間が、イギリス人のヒーローを演じるのはおこがましいんですけど……。でも、“橋本さとしならこの役”という代表作を作りたい。自分の存在を、人の記憶に残していきたい。体だけは無駄にデカいんで、残像もデカいはずなんですけど(笑)」

週刊朝日 2015年4月17日号

1 2

あわせて読みたい

  • 『蛮幽鬼』東京公演終了と新作『戯伝写楽』

    『蛮幽鬼』東京公演終了と新作『戯伝写楽』

    11/1

    『シレンとラギ』、大阪公演の無事に感謝

    『シレンとラギ』、大阪公演の無事に感謝

    5/17

  • 木野花の芝居熱が終息しない理由「変わりたいと思えば成長できる」

    木野花の芝居熱が終息しない理由「変わりたいと思えば成長できる」

    週刊朝日

    2/12

    「芝居で飯を食う」ことを書いた『シアター!』

    「芝居で飯を食う」ことを書いた『シアター!』

    3/5

  • 『鋼鉄番長』上演再開、客席からの拍手に感謝と感動

    『鋼鉄番長』上演再開、客席からの拍手に感謝と感動

    11/4

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す