幸せにはいつか終わりが?(イメージ写真) @@写禁
幸せにはいつか終わりが?(イメージ写真) @@写禁

 最近よく聞く「年の差婚」。芸能人の話題はもちろん、身近にも広がってきた感がある。結婚相談所のオーネットによると、成婚して退会したカップルで11歳以上離れているケースは10年間で倍以上になった。

 加えて注目したいのは“姉さん女房”が広がりつつあることだ。厚生労働省の人口動態調査では、妻が年上という夫婦は1970年に10.3%だったが、2013年は24.3%と躍進した。『【年の差婚】の正体』(扶桑社新書)の共著がある明治大学の諸富祥彦教授(心理学)が分析する。

「働く女性たちが増え、彼女たちは非常に若々しく、安定した生活を送っている。だから自立していなくても優しい若い男性に惹かれるのでしょう。男性側も『姉御肌』の年上女性に甘えたい欲求があるので恋愛が成立するんです」

 ただし、夫婦生活を営むなかで、人間として成長していく過程で年齢ギャップゆえの“危機”も勃発する。例えば一緒に暮らす若い夫が、精神的にも経済的にも“独り立ち”する日がやってくる。そんな実体験を公表しているのは夫婦問題研究家で結婚相談所「AZCOブライダルサロン」を運営する岡野あつこさん(60)だ。

「女性が年上の場合、男性が自分から『卒業していくかもしれない』と覚悟する必要があります」

 岡野さんは56歳のとき、24歳年下の男性と結婚した。当時、独りで必死で頑張り続けてきた結果、一人息子を大学へ進ませ、仕事も軌道に乗っていた時期だった。再婚の岡野さんは夫の仕事を励まし、全力で支えた。

「彼を育てることが楽しかった。若い女性にはない“味”を出そうと、包み込むような母性を発揮していましたね」と振り返る。

 3年後、夫が突然、メールで別れ話を切り出してきた。当初は動揺した。だが「私を必要としない人とは一緒にいたくない」と離婚に合意した。送り出すのは悲しかったが夫の自立と受け止め、「卒業式と同じだと思って受け入れた」とサバサバした表情で語る。

「妻が年上の場合、若かった夫が人生経験を積み重ねるなかで経済力や人脈などを自力で獲得できるようになって以後は、一緒に居続けることが難しいと感じます。男性は女性にリードされることに疑問を持ち始めたり窮屈に感じてしまったりすることも。自分の若さも美貌も衰えていく。だから、いつか終わりがくるという覚悟を」

週刊朝日 2015年4月10日号より抜粋