しかし、連用するうちに効かなくなり、薬剤性鼻炎という症状になることがあります。こうなった場合は早急に使用をやめて、医師の指導の下、内服薬や噴霧用ステロイドに変える必要があるでしょう。

 現在の抗ヒスタミン薬は副作用も少ないとはいえ、眠気などを訴え内服できない患者さんも一定数います。このような患者さんには手術という選択肢もあります。

 手術は外来でおこなう手術と入院でおこなう手術の大きく二つに分けられます。一つ目は、外来でレーザーを使って鼻の粘膜と粘膜下の血管を焼いて収縮させる方法。二つ目はくしゃみや鼻水にかかわる神経を焼き切り鈍感にさせる「後鼻神経切断術」という手術です。レーザー治療は1回やるだけでは効果がなく、毎年数回やる必要があります。また、「後鼻神経切断術」は10日ほどの入院が必要で、外来で治療をしても鼻づまりが良くならない人に適用されます。

 根本的に治したい場合、舌下免疫療法は有効な選択肢です。また、最近では新たな研究としてヨーグルトなどの乳酸菌がアレルギーに効果があることも私たちの調査ではわかってきています。この分野の研究が進めば、近い将来、治療の一つになるかもしれません。

週刊朝日 2015年3月27日号