「でかいの、もらっていいか」菅原文太さんの一言で弟子になった俳優 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「でかいの、もらっていいか」菅原文太さんの一言で弟子になった俳優

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週刊朝日

 ドラマ『半沢直樹』『極悪がんぼ』『軍師官兵衛』など独特の存在感で、活躍を続ける俳優の宇梶剛士(たかし)さん。デビューする前には歌手・錦野旦さんの事務所で手伝いをしていたこともあったという。そして、昨年亡くなったあの人との出会いも……。作家・林真理子さんとの対談で明らかになった

*  *  *
林:菅原文太さんの付き人もされていたんですよね。昨年の訃報は、ショックだったでしょう。

宇梶:こんなにうろたえるのか、というぐらいうろたえちゃって……。親父(菅原さん)は11月28日に亡くなったんですが、芝居(「天使猫」)の千秋楽が11月30日だったんです。さっき言った菅田さんという兄弟子が、みんなに「宇梶は本番中だから言うな」と言ったそうなんです。その菅田さんから29日に他愛もないことでメールが来たので、僕は「年が明けたら親父を囲む会をやってください。僕もできる限り動きます」と返したら、「親父はおまえのことがいちばん可愛いから喜ぶぞ。3人で博多で飲もう」みたいなメールが来て……。

林:ええ。

宇梶:僕は何十年も菅原文太の弟子だけど、親父と3人だけで会えるなんて絶対にないんですよ。そうなったらいいな、くらいの意味かと思っていたら、亡くなっていたと……。それを聞いてワーッとなっちゃって。あのときのしょんぼり感というか、空虚な感覚は、自分の想像を大きく超えたものでしたね。

林:そうだったんですか。

宇梶:ほんとに親父に依存してたんだなと思いました。2、3年会ってないんですけど、会わなくても依存してたんですよね、心の中で。

林:菅原さんの付き人になったのは、どういうきっかけだったんですか。

宇梶:あるとき、錦野さんの事務所のおつかいで藤映像コーポレーションというところに行ったら、親父が来ていて、帰ろうとしたら呼び止められて、「おまえ、何者だ。歌い手か」って言われて。「いえ、俳優になりたいんですが、どうやったらなれるのかわからないので、錦野さんのところでお手伝いをしています」と言ったら、親父はすぐ錦野さんの事務所に電話して、「おたくのところのでかいの、もらっていいか」って。

林:ええっ!

宇梶:電話切って、「ということでいいな」って言われて、それで親父の弟子になったんです。

林:目立ったんでしょうね、この容姿と身長が。宇梶さん、190センチでしたっけ?

宇梶:そうです。

林:それから、美輪明宏さんとの出会いもすごいですよね。放送局のベンチに座っていたら、純白のドレスを着た美輪さんが近寄ってきて、「まぶしい? それはあなたが暗い道を歩いてきたからよ」って言ったんでしょう?

宇梶:(美輪さんの口調で)「あなたは闇夜の鴉よ」って(笑)。その出会いがきっかけで、舞台をやるようになったんです。若いときは大晦日に仲間何人か連れて美輪さんのお宅に行って、勝手にお酒飲んだりおせち食べたりしながら、一緒に「紅白」を見たりしましたよ。美輪さんの解説付きで。

林:えっ、なんてぜいたくな。

週刊朝日 2015年2月20日号より抜粋


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