スーパーの菓子につまようじを混入したり、万引きをしたりする様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップしたことで、警視庁に指名手配され、逮捕された19歳の少年(東京在住)。

 悪乗りはエスカレートする一方だ。1月14日にテレビのニュースで事件が報じられると動画「逃亡宣言」をアップ。その直後にアップした別の動画の中では、「市橋達也になった気分なんですよ、超。孤独な逃走が始まるのかなと思ってさ」と、2年7カ月間にわたり逃亡した英人女性殺害事件の犯人と自らを重ね合わせた。その後も、「未成年がビール飲みますw」「超余裕 万引きしてみたw」などの動画を16日夜までアップし続けた。

 ITジャーナリストの三上洋氏はこう分析する。

「犯人はわざと逃走中の風景を多く動画に残しています。目的は逃走ではなく、逮捕されるまでの一部始終をアップすることでしょう。犯罪行為や過激な発言で世間を騒がせて、有名になりたいのだと思います」

 16日にアップした動画「本名などの個人情報について」では、ネットで本名が晒されはじめたことを「想定内」だと述べた後、「今は名鉄に乗っています。警察はまだ私を捕まえられないんです。無能、無能、無能警察~♪」と名古屋方面に逃走していることを明かし、捜査機関を挑発。さらには、「私は訴え続けます、捕まるまで。少年法改正を」と饒舌に語る。

 少年は事件の発覚前にアップした動画の中で、2011年2月と13年6月に2度、ネットで通り魔予告をして逮捕された経験があると語っている。その上で、自身の年齢を19歳だと明かし、「こんな2回も捕まっている人に対して、まだ少年法が効いているんです。おかしいと思いませんか?」と主張しているのだ。

 日大名誉教授の板倉宏氏(刑法)はこう解説する。

「二つの前科があるのなら、19歳でも検察に逆送致され、刑事処分相当となる可能性がある。1年半程度の実刑は受けると思います」

 逮捕され、実刑を受けるなどし、少年の「希望」が叶った時、饒舌な口は何を語るのだろうか。

週刊朝日 2015年1月30日号