美人すぎる声楽家の“切なる願い”とは? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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美人すぎる声楽家の“切なる願い”とは?

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週刊朝日

「人生の中でそう聞けることのない素晴らしい声」
「100年に一人の逸材」

 独の名ソプラノ歌手エッダ・モーザー(76)らが絶賛するオペラ界の新星・田中彩子(30)は、「ハイ・コロラトゥーラソプラノ」という、世界でも一握りの最高音域の声を持つ。ウィーンを拠点に活動してきたが、昨秋日本でもメジャーデビュー。その美貌が“美人すぎる声楽家”と話題になりテレビ出演が続く。

 3歳から始めたピアノでプロを目指したが、手が小さいのが悩みだった。大学進学を前に不安を感じていたとき、恩師が声楽の道へ誘った。

 最初のレッスンで見いだされ、数カ月後にはウィーンの研修旅行に参加し、宮廷オペラ歌手の“耳”に留まった。「本気でオペラ歌手になりたいなら今すぐ欧州へ来るべきだ。私が教える」とオファーされた。

 高校卒業直後に単身ウィーンに渡る。レッスンの友は独語の辞書。留学して4年、日本の友人は次々と就職し、精神的にも金銭的にもつらかったが、22歳で初めて臨んだスイスでのコンクールが転機となった。ウィーンに戻って公園を散歩中、携帯が鳴った。

「あなたの声を聞いた。3カ月後の公演に出られますか?」。電話の主はベルン州立歌劇場の芸術監督だった。

「頭が真っ白になって、とにかく『出ます!』と電話を切り、泣きながら公園を猛ダッシュしました」

 2006年、「フィガロの結婚」でソリストデビュー。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演出演のほか、昨年はウィーン2大ホールの一つウィーン・コンツェルトハウスの舞台に立つなど、着実に実績を積んできた。現地では自炊生活を続け、歌は体力を消耗すると1日5食のことも。オペラ鑑賞が日本でもっと身近になってほしいと切に願う。

「『美人すぎる声楽家』というフレーズが、興味を持ってもらえるきっかけになれば。いつかその肩書が自然に消えてくれたら、とてもうれしいんですが」

週刊朝日  2015年1月23日号


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