レーザー治療の様子(撮影/関口達朗)
レーザー治療の様子(撮影/関口達朗)

 男性の「シミ」取りが広がっているらしい。シミの最大の原因は紫外線。代謝が悪くなるとメラニン色素が肌にとどまりシミになる。このイヤなシミを何とかしようと、レーザー治療など、いろんな方法を試す男性が増えている。

 できたら取ってしまう、というのもシミ対策のひとつだが、シミを作らないようにする予防的な方法もある。

 体の内側からシミの原因となるメラニン色素に働きかけましょう、というのが、高濃度ビタミンC点滴をする方法。美容マニアの間で「1回で肌色が明るくなる」と話題になっていて、アンチエイジングクリニックなどで受けられる。この方法について、順天堂大学医学部附属浦安病院・皮膚科学教授の須賀康医師はこう説明する。

「ビタミンCは過剰に摂取してもすぐ体外に排出されてしまうので、点滴で血中のビタミンC濃度を高濃度に上げ、少しでも細胞に届ける目的で使用されるのでしょう。濃度が高いと腎臓などに悪影響が出る可能性もあるので、しっかりとした管理ができる施設で行われるべき治療法です」

 肌を白くしたり、シミを薄くする効果は期待できるのか。

「肌細胞に届きさえすればビタミンCは優秀な美白剤です。血中濃度を上げることで、肌に変化がみられるかもしれません」(同)

 とはいえ、美容皮膚科やクリニックでの治療をためらう人もいるだろう。手軽に家でできるシミ対策として、内服薬や塗り薬もある。

 製薬会社が発売する内服薬の多くに配合されているのが、L-システインとビタミンC。エスエス製薬の「ハイチオールC」は、1972年の発売開始当初は、二日酔いや倦怠感の改善を主な効果としていたが、98年からはL-システインとビタミンCの「メラニンの生成を抑制し、シミを改善する」とされる効果に着目し、「しみ・そばかす・日やけなどの色素沈着症」を効果・効能に挙げている。肌の代謝に合わせて約3カ月飲み続けると、メラニンは体の外に排出され、黒色のメラニンを無色化することで、シミを改善する効果が期待されている。

 内服薬で日焼けをリセットすることはできるのだろうか。

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