主将ジーター引退で、来季はより期待がかかる (c)朝日新聞社 @@写禁
主将ジーター引退で、来季はより期待がかかる (c)朝日新聞社 @@写禁

 右ひじの故障で2カ月半欠場しながら、見事な復活を果たしたヤンキースの田中将大投手(25)。積み上げた白星は13(9月27日現在)とチーム最多で、2年目の来季はエースとしての活躍が期待されている。

「右ひじ靱帯の部分断裂は手術せず、来季も自然治癒能力を促進させる注射とリハビリで乗り切るようです。ただ、マー君は7年で総額約161億円の大型契約。監督はあまり無理をさせず、中4日のローテーションを5日にしたり、球数を90球ほどに制限したりして、大事に起用していくのではないか」(スポーツ紙記者)

 兵庫県伊丹市で生まれ育った田中投手は、高校は北海道プロ野球楽天」時代は仙台に居を構えた。今春からはニューヨークで、まい夫人(30)との生活をスタート。だが“転居慣れ”しているマー君も、さすがに異国の地では苦労の連続だという。

 特に「チップ」「美容院」「渋滞」に悩んでいたと明かすのは、NY在住のスポーツジャーナリスト・青池奈津子氏だ。

「レストランで食事をした際、店員へのチップの計算に悪戦苦闘したようです。相場は総額の約15%。暗算するには難しい。でも最近、『まず10%を計算して、それにその半分を加えればいいんですよね。バッチリです』と言っていました(笑)。美容院選びも当初は苦労していました。25歳と年ごろだし、マスコミやファンから髪形も注目される。日系の美容室はNYにもたくさんあるのですが、好みのカットに日米の違いがあり、思い通りではなかったようです。夏前に一度相談されたので、ある店を紹介したら気に入ってくれました」

 田中投手の住むミッドタウン地区からヤンキースタジアムまでは運転手つきの専用車で15分ほどだが、渋滞がよく発生し、40分近くかかることもある。

「『本当に時間が読めないですよ。しかも道が悪く、車に酔いそうになる』とボヤいていました。練習は大切にしているので、特に時間には気をつけているようです」(青池氏)

 意外と言ったら失礼かもしれないが、田中投手は言葉の面で苦労しているようには見えないという。テレビでも、チームメートと談笑する姿がよく映し出されている。

「入団した直後から『タナカは言われていることは分かっているようだ』と多くの選手が言っていました。ヒアリングはこの1年でかなり上達。ベテランのサバシア投手にはピッチングの相談もしています」(同)

 今シーズン、球場の警備員や食堂のスタッフが「おはようございます」「元気ですか?」と日本語を口にするようになった。はるばる海を渡ってきた田中投手をリラックスさせたいとの思いもあって、自ら勉強して覚えたのだという。

 多くのファン、スタッフを魅了するマー君の新たな挑戦に注目だ。

週刊朝日  2014年10月10日号