(※イメージ)
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 日本人の消費スタイルが変わり始めている。デフレ不況の出口がはっきりと見えないなかでも、価格が割高な「プレミアム商品」が次々とヒットを飛ばしているのだ。消費者行動に詳しい電通総研の松本泰明さんは、プレミアム商品が売れている背景をこう分析する。

「今の日本では、『安い』だけでは購入の動機にならない人が増えています。長く続いた低価格競争に慣れ、消費者も安さに驚きを感じなくなっています」

 同社の「消費マインド調査」によると、普段は低価格帯の買い物をしても、質が高くて納得できる商品であれば高価格でも購入する“メリハリ型”の消費者が増えている。2013年9月には全体の約33%を占め、09年に比べて12ポイント以上増加した。

「アベノミクスが始まるはるか前の11年6月ごろから、すでに高価格帯の時計やカバンなどが売れ始めていました。百貨店の売り上げも13年には16年ぶりに前年の売り上げを上回っています。『どうせ買うなら、本物を買いたい』という人は増える傾向にあり、それが現在にまで至っています」(松本さん)

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