2年に1回、パリで開催される「ワールド・チョコレート・マスターズ」は、世界中の名ショコラティエが、独創的な技と味を競い合う。昨秋、日本から出場したのは、国内大会で1位に輝いた「サロン ド ロワイヤル京都本店」のシェフパティシエ・垣本晃宏さん(43)。25歳まで会社員だったが、「職人になりたい」と製菓の道へ。フランス料理のシェフなどを経て、チョコレート作りに専念するようになったのは、わずかこの2年という異色の存在。今回、初出場で20カ国中4位入賞を果たした。
フォアグラを使い、シソや辛味大根なども合わせてみたいと考えるのはシェフ経験のたまもの。特に香りにこだわっている。
「水分を多く含ませて、口の中に香りだけが残って早く消えていくチョコを目指しています」
世界の頂点を狙って生み出された味と技術は、ショーケースの商品にも宿る。
「おいしいものは簡単にできない。コンクールに挑戦すれば、とことんまで追求できる。そこから新しい味が生まれるんです」
※週刊朝日 2014年2月14日号