宇宙についての素朴な疑問を、作家の三浦しをんさんが、『宇宙の地図』の著者(観山正見氏との共著)で、国立天文台教授の小久保英一郎さんに聞く対談講座が行われた。そこで天文学者の意外な素顔が明らかにされた。
* * *
三浦:小久保先生の『宇宙の地図』という本では、国立天文台で小久保先生が立っているところから、ページをめくるたびに、宇宙に向かってどんどん離れていく。日本、地球、太陽系の惑星たちを越えて宇宙の果てまでを、キレイな写真で見せてくれます。とにかく考えるとギャーってなるくらい宇宙が広いことはわかりました(笑)。
小久保:でも、自分が小さいことがわかると、逆に安心もしません?
三浦:ああ、あきらめに似た境地になりますね。
小久保:楽に生きていくためにその感覚はすごく大事かなと。しをんさんは、宇宙とか星とかと聞くと、何を思い出しますか?
三浦:ガンダムです!
小久保:おお!(笑)
三浦:小さいころ、自分は地球の内側に住んでいると思っていました。多分それはガンダムのコロニーからきたイメージだと思う。
小久保:われわれ世代は、大げさにいえば、ガンダムについて知らない人間は天文学者にあらず、みたいなところもあります。
三浦:えっ!?
小久保:いや本当。研究発表で、ガンダムの名ゼリフを使う人がいたり。「普通の星とは違うのだよ」とか(笑)。
※週刊朝日 2014年1月24日号