小久保英一郎(こくぼ・えいいちろう)1968年生まれ。東大大学院総合文化研究科修了。主な研究分野は惑星系形成論。著書に『一億個の地球』(井田茂氏と共著)、『宇宙の地図』(観山正見氏との共著)など(撮影/写真部・関口達朗)
小久保英一郎(こくぼ・えいいちろう)
1968年生まれ。東大大学院総合文化研究科修了。主な研究分野は惑星系形成論。著書に『一億個の地球』(井田茂氏と共著)、『宇宙の地図』(観山正見氏との共著)など(撮影/写真部・関口達朗)
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三浦しをん(みうら・しをん)1976年生まれ。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞を受賞。『風が強く吹いている』『神去なあなあ日常』など著書多数(撮影/写真部・関口達朗)
三浦しをん(みうら・しをん)
1976年生まれ。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞を受賞。『風が強く吹いている』『神去なあなあ日常』など著書多数(撮影/写真部・関口達朗)

 宇宙についての素朴な疑問を、作家の三浦しをんさんが、『宇宙の地図』の著者(観山正見氏との共著)で、国立天文台教授の小久保英一郎さんに聞く対談講座が行われた。そこで天文学者の意外な素顔が明らかにされた。

*  *  *

三浦:小久保先生の『宇宙の地図』という本では、国立天文台で小久保先生が立っているところから、ページをめくるたびに、宇宙に向かってどんどん離れていく。日本、地球、太陽系の惑星たちを越えて宇宙の果てまでを、キレイな写真で見せてくれます。とにかく考えるとギャーってなるくらい宇宙が広いことはわかりました(笑)。

小久保:でも、自分が小さいことがわかると、逆に安心もしません?

三浦:ああ、あきらめに似た境地になりますね。

小久保:楽に生きていくためにその感覚はすごく大事かなと。しをんさんは、宇宙とか星とかと聞くと、何を思い出しますか?

三浦:ガンダムです!

小久保:おお!(笑)

三浦:小さいころ、自分は地球の内側に住んでいると思っていました。多分それはガンダムのコロニーからきたイメージだと思う。

小久保:われわれ世代は、大げさにいえば、ガンダムについて知らない人間は天文学者にあらず、みたいなところもあります。

三浦:えっ!?

小久保:いや本当。研究発表で、ガンダムの名ゼリフを使う人がいたり。「普通の星とは違うのだよ」とか(笑)。

週刊朝日 2014年1月24日号