浅田は4年前の銀メダルからの成長を結果で示せるか (c)朝日新聞社 @@写禁
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女子フィギュア史上3人目の五輪連覇に挑むキム・ヨナ (c)朝日新聞社 @@写禁
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「浅田がまさかの3位」――。女子は代表の顔ぶれではなく、全日本選手権で浅田真央(23)の順位がニュースとして報道された。

 フリーではトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2回とも失敗。ショートプログラムの首位から3位に落ちた。

 だが解説者の村主千香さんは言う。

「それでも浅田さんとキム・ヨナ(韓国)の金メダル争いでしょう。全日本選手権は浅田さんの3回転半ジャンプへの強い思いを見せつけ、改善点も浮き彫りになった試合だと思います。荒川静香さんも2005年の全日本では3位に終わり、その悔しさをバネに、翌年のトリノ五輪では金メダルを獲得しています」

 とはいえ、その執念が本番でアダとなっては元も子もない。フリージャーナリストの辛仁夏さんは「銀メダルに終わったバンクーバーと同じ轍(てつ)は踏まないでほしい」と訴える。

「やはり3回転半はハイリスク・ハイリターン。ソチでは結果を気にせず、集大成の演技で達成感を優先する考え方もありますが、できれば金メダル獲得を優先してほしい。3回転半を1回に抑え、勝負に徹するほうがいいのではないか」

 一方でスポーツライターの折山淑美さんは、「3回転半への執念を突き通すしかない」と指摘する。

「浅田が最も得意とするのが3回転半。五輪という大舞台だからこそ、得意技で勝負すべきではないでしょうか。本人も『10回跳んで10回成功するぐらいにしておかなければならない』と発言していますが、まさにそのとおりです」

 土壇場でも柔軟な対応が必要と言うのは、インスブルック五輪フィギュア代表で解説者の佐野稔さんだ。

「練習で理想のプログラムに挑むのは当然ですが、勝つには3回転半の回数を変更するなど、臨機応変な対処が求められます。とにかく後悔しないこと。それこそが、真央ちゃんにとっての本当の戦いなんです」

週刊朝日 2014年1月17日号