「あまちゃん」「ガリレオ」 作家・柚木麻子の春ドラマ評 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「あまちゃん」「ガリレオ」 作家・柚木麻子の春ドラマ評

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 テレビ各局の春のドラマが出そろった。「ガリレオ」が視聴率22.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で好発進するなど話題は多いが、数字や各局の思惑とは無関係に、本当におもしろいドラマはどれだろう。「ドラマが大好き」という作家・柚木麻子(ゆずき・あさこ)さんに、独断オーケーで裁いてもらいました。

*  *  *
 海女(あま)を目指す女子高生が主役のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」は、ドラマの新しい可能性を示唆する逸品です。クレージーキャッツ風のテーマ曲にのって三陸鉄道をぐんぐんと突っ切り、澄んだ海に飛び出すオープニングからして、開放感に満ちあふれています。地方と東京、新しいものと古いもの、切なさとこっけいさ。そのどちらにも平等な視線を向けるところに脚本家・宮藤官九郎らしさがあり、誰も傷つけないスマートなやり方で朝ドラの「お約束」を裏切っていくのが気持ちよい。何より、海女ルックの能年玲奈(のうねん・れな)は久々にはっと目を惹(ひ)く愛らしさです。美少女にあるまじきひどい猫背で、エへエへと笑うさまに心が洗われます。

「月9」は天才物理学者が難事件に挑む「ガリレオ」(フジ系、月曜夜9時)。福山雅治と柴咲コウの奇跡的な相性の良さが評価された前作から、ここにきてヒロインを吉高由里子に交代するというのは、どう好意的に見ても不可解。そんな視聴者の疑惑をねじ伏せるかのように、柴咲から吉高への仕事の引き継ぎを強引にストーリーに溶け込ませています。「つかんだファンは絶対離さへんで!」という作り手側の執念が感じられました。

 交代劇といえば直前で織田裕二から古田新太への主演変更が話題になった「間違われちゃった男」(フジ系、土曜夜11時10分)。これはむしろ、古田で成功といえるでしょう。泥棒が寿司職人に間違われ、歓迎される第1話。にこっとするだけで不思議な温かさの広がる古田なしに、このやや無茶な筋立ては成立しません。


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