被災地でも選挙でも進次郎氏の周りには人、人、人。それも谷垣禎一総裁(当時)に3党合意破棄を迫るなど、「リスクを取った発言ができる政治家」(河野太郎元幹事長代理)だからだろう (c)朝日新聞社 @@写禁
被災地でも選挙でも進次郎氏の周りには人、人、人。それも谷垣禎一総裁(当時)に3党合意破棄を迫るなど、「リスクを取った発言ができる政治家」(河野太郎元幹事長代理)だからだろう (c)朝日新聞社 @@写禁

 議員歴わずか3年余にして、先輩議員たちからも一目置かれる小泉進次郎衆院議員(31)。1月22日夜、地元・神奈川県横須賀市で開かれた、ある業界団体の新年会に顔を出した進次郎氏を週刊朝日はキャッチした。

 次の会場へと急ぐのか、走って出てきた進次郎氏。「今年の抱負を」と聞くと、「復興の加速です」とだけ答えてくれた。

 毎月11日に自民党青年局のメンバーと被災地を回って要望を聞く「TEAM‐11」。2012年2月に進次郎氏の提案で始まり、今や自民党の「看板視察」にもなった。1月の岩手訪問で10回を数える。数回同行した丹羽秀樹文部科学政務官(40)は、進次郎氏のこんな発言を覚えている。

「被災地の方の政治不信を払拭しない限り、政治への信頼は回復できません」

 週刊朝日がキャッチした日の昼、進次郎氏は衆院議員会館の後藤田正純衆院震災復興特別委員長(43)の部屋を訪ねた。同委員会の委員に内定しており、どう復興対策を加速させるかの相談に赴いたのだ。後藤田氏が「委員会の理事をやらないか」と水を向けても、「いや、私なんか」と謙遜してみせたという。

 一方で党側には、「進次郎が行けば毎月1度は必ずメディアが取り上げる。自民党が被災地を忘れていないというメッセージになり、商品価値は高い」(幹部)との打算があるのも確かだ。

 与党となって、どう具体的に復興を加速させていくか。空手形に終わらせない「腕力」が問われる。

週刊朝日 2013年2月8日号