遺言セミナーは各地で人気だ (c)朝日新聞社 @@写禁
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 高齢化社会の中、親の介護をどうするのか、多くの家庭で複雑な問題となっている。さらに、介護は実質的な負担以外にも相続で問題となることがある。被相続人への介護をどう相続に反映するか。これはさまざまな感情が入り交じって、もめやすい部分だ。

「遺言がない場合に兄弟姉妹の間で、『生前に面倒もみなかったのに、平等にもらうつもりなの?』となりやすい」(弁護士・小堀球美子さん)

 遺産分割協議がまとまらない場合は、家裁へ申し立てる。親の事業を手伝ったり、介護をしたりして「親の財産の維持または増加に特別の寄与をした」と認められれば、「寄与分」として多く相続できる。

「ところが、家裁では『介護は扶養義務の範囲内』として寄与分と認められないことが多い。子の費用で特別に高額な介護ヘルパーを頼んだ際の領収書などを示し、家裁が認定できるような『特別の寄与』を証明しましょう」(小堀さん)

 そのために、小堀さんはこんなアドバイスをする。「遺言書に『○○には介護で世話になった分、より多く遺す』と記しておけば、兄弟姉妹の間でもめることもなく、親も子の気持ちに報いられます」。

週刊朝日 2013年1月25日号