家を買うのは人生の大きな選択だ。消費増税が決まった今が、住宅購入すべき時なのか。“伝説の営業マン”元積水ハウス山口綜建営業所所長の田中敏則氏が語った。

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 住宅業界にとって、いい年になるのではないでしょうか。政権交代などによる好材料が大きく三つあるからです。

 一つ目は、安倍政権の積極的な金融緩和政策です。2%程度の物価上昇を目指し、日本銀行にお札をどんどん刷ってもらおうとしています。現状も長期金利は低下傾向にありますが、それがさらに継続、促進されることが期待できます。住宅を購入する場合、多くの人が30年以上にわたる長期のローンを組むので、金利は住宅の売れ行きを左右する大きなポイントです。

 二つ目は「住宅ローン減税」の延長です。住宅ローンなどを利用して住宅を購入した場合、一定の要件を満たせば入居した年から10年間にわたって、支払った所得税の還付を受けることができる制度です。若い世代にとっては朗報です。

 三つ目は、消費増税前にやってくる「駆け込み需要」です。1997年に3%から5%に増税したときも起きました。同様の現象は既に始まっており、先日も私の会社に「消費増税前に家を購入したい」というお客様がいらっしゃいました。

 景気がどんなに悪くても、いい住宅は売れる。日本経済は大丈夫だと思います。

週刊朝日 2013年1月25日号