大竹しのぶ 「勘三郎は『がんは怖い』と言っていた」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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大竹しのぶ 「勘三郎は『がんは怖い』と言っていた」

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 歌舞伎俳優の中村勘三郎(本名・波野哲明)さんが12月5日、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)で亡くなった。57歳の若さだった。今年6月に食道がんを公表、7月27日に手術を行い、療養中だった。歌舞伎界の大看板のあまりに早すぎる死。35年の親交があり、最期を看取った女優の大竹しのぶさん(55)が、術後の様子などを語った。

*  *  *
 手術の2日後にお見舞いに行くと、「体を動かすように」とお医者様から言われ、歩行練習を始めるところでした。「よし、これから歩くから、見てて!」と。痛み止めを看護師さんに打ってもらった瞬間に「効いた?」。「そんなに早く効きませんよ」とたしなめられ、15分ほどすると「痛い、痛い」と言いながら、体に管をいっぱいつけて歩いていた。拍手したら、「大竹しのぶに拍手もらったよ」と看護師さんに自慢してたそうです。

 智明さんは「がんは怖い」と言っていました。「でも必ず治る」と信じていた。お酒を飲む一方、人間ドックをちゃんと受け、体調管理には気を使っていました。抗がん剤を投与されても副作用もなく、順調に回復するかに見えたのに、8月に肺疾患にかかり、深刻な事態になってしまった。なぜ彼がこんなにつらい目に遭わなければならないのかと思いました。

 でも声が出なくなってからも、みんなを笑わせていました。きれいな女性の看護師さんが「(男の)先生に代わります」と言うと「イヤだ」と口を動かしたり、私がピストルで撃つマネをしたら、死んだフリしたり。かわいい人だった。

週刊朝日 2012年12月21日号


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