「日本維新の会」の代表に就いた石原慎太郎前東京都知事。投資助言会社「フジマキ・ジャパン」の代表・藤巻健史氏は「石原さんのリーダーシップは余人に代えがたい。カリスマ性はさすがで、私は彼を尊敬している」としながらも、不安材料をこう指摘する。

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 ひとつ心配なのは経済面の政策である。新銀行東京の失敗の例を持ち出すまでもなく、経済面だけは弱いという印象を私は持っている。周りに経済がわかるスタッフがいなかったのだと思う。今、日本は経済的に大変な崖っぷちにいる。もし私が予想するような「ガラガラポン」が近未来に起きたときに、政治がそれに対処していけるかどうかは、将来の日本の命運を左右する。だからこそ、経済の本当のプロを周りに呼び込むことが重要なのだ。それでこそ、石原さんの強烈なリーダーシップが生きてくると思うのだ。

 石原さんに捨て石となって働いていただくしかない。まさに、「若い人、しっかりしろよ!」である。

週刊朝日 2012年12月7日号

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藤巻健史

藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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