辛坊治郎氏、ノーベル賞山中教授の告知に冷や汗 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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辛坊治郎氏、ノーベル賞山中教授の告知に冷や汗

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(c)朝日新聞社

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 ニュースキャスターの辛坊治郎氏は、ノーベル賞受賞が決定した山中伸弥教授に、以前自身が司会を務める番組に生出演してもらったことがあるという。当時のことを振り返り、辛坊氏は「冷や汗ものだった」と話す。

*  *  *
 それは今年6月のことだった。生放送の終了直前、ゲストとして出演していた大学教授が、足元から大きなボール紙を取り出した。カメラに映ったのは大書された電話番号、「いったいなんですか?」と司会の私が聞くと、彼は恥ずかしそうにこう答えた。

「政府の補助金が切れたら、現在の研究所の人員を維持できません。テレビをご覧の皆さん、どうぞ寄付をお願いします。いただいた寄付は、私どもの研究に使わせていただきます。一人でも多くの難病の患者さんを救えるよう頑張って参りますので、皆さん、是非ご協力をお願いします」

 この大学教授こそ、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥教授その人だ。毎週土曜日に日本テレビ系全国ネットで放送している「ウェークアップ!ぷらす」の中で、日本を元気にしてくれる人物にスポットを当てる「POWER」コーナーの目玉ゲストとしてご出演いただいたのだが、ご本人の希望とはいえ、後のノーベル賞学者に募金告知までさせてしまうなど、今思い出しても冷や汗が出る。しかし、その時に私が、「日本政府が出す自然科学系の研究費は、アメリカの半分以下です。このあたり、国がもっと積極的に支援すべきですよね」と話を振ると、山中教授は激しく首を振ってこう言った。

「いや、私がこれだけの成果を上げることができたのは、補助があったおかげです。日本の再生医療研究が世界のトップを歩んでいるのは、国が研究費を重点配分してくれているからです。私は何の不満もありません」

 多分、これは本音なのだと思う。しかし、ノーベル賞学者にこう言わせるほど、日本の学者にとって、財布のひもを握る国と敵対関係になることは命取りなのだろう。

(週刊朝日2012年10月26日号「甘辛ジャーナル」からの抜粋)

週刊朝日 2012年10月26日号


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