少し前から、日本では空前の子役ブームが巻き起こっている。脚本家で俳優の河原雅彦氏は、これまでの子役ブームと比較して、今回の子役たちは漫画『ドラゴンボール』でいうと「"完全体"フリーザ」のようだと話す。

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 どれ。いまだテレビ業界を席巻している空前の子役ブームについて語ろうか。

 世の人々はなぜに昨今の子役を愛でるのか? かつての宮川一朗太さんや内山(信二)君みたいに素朴で愛嬌(あいきょう)があるからかというとそれだけじゃない。かつての安達祐実ちゃんのように容姿に優れ、大人顔負けの演技力を有しているからかというとそれだけでもない。

 彼らはそれら全てを兼ね揃(そろ)えた上でなおかつ、バラエティ番組や記者会見で見せる芸能的アドリブ対応力が超ハンパない。

 小うるさいステージママに「ああ言いなさい、こう振る舞いなさい」と教育を施されているには違いないが、子役自身が有する自己プロデュース能力の高さは舌をぐるっぐる巻くほど向上しており、そんな『ニュータイプの子役タレント像』に人々はすっかり心を奪われていると推測される。

 演技派子役として脚光を浴びる自分を肌でビンビン感じながら、世間をほっこりさせる子供らしさ、世間を感心させる対人能力、世間をドキッとさせる切れ味鋭いトークなどを巧みにコントロールしているその様は、もはや"おませ"などという生易しい言葉では済ませられず、子役の域では、ドラゴンボールのフリーザでいう"完全体"と称するべきだろう。

 とはいえ自分がどうすれば世間に愛されるかを感知出来る子供なんて小憎らしくしか見えませんがね、個人的に。

※週刊朝日 2012年8月3日号