P6233599.JPG  フランス・カンヌで行われていた世界最大級の広告祭「カンヌライオンズ」が6月23日に閉幕した。

  日本からは、インテルの「The Museum of Me」およびグーグル「OK Go/All is not lost」がそれぞれ3つのゴールドを獲得、また、ホンダの「Connecting Lifelines」やグーグル「未来へのキオク」などが複数部門の入賞を果たした。

  広告会社のみならず、制作会社、PR会社、広告主など世界中から1万人近い人々が集まり、毎年盛り上がりを見せるこのフェスティバルだが、最近ではリアルタイムにカンヌの様子が伝わってくるようになった。

  広告やTVドラマ、映画のモーショングラフィックを得意とする東京渋谷区のEDP graphic worksもカンヌライオンズに参加したカンパニーのひとつ。会社を代表してカンヌ入りしたクリエイティブディレクターの本さんのチームに密着してみた。熊本さんは、2010年にデザイン部門でゴールドを獲得している。

 一週間にも及ぶカンヌライオンズ。熊本さんは、東京とコミュニケーションをとって業務を進めつつ、カンヌでの受賞作や話題となっている情報を東京の同僚に次々と共有していく。こういうときは、コクヨの「te.to.te」というアプリが重宝するという。

「ちょうどテレビの7月クールドラマのタイトルバックや広告の制作作業が佳境をむかえる時期で、カンヌにいる間も東京とグラフィックや映像の動きを常にやりとりしていかなくてはならないんです。そうした時に、iPadの大画面でリアルタイムにデータの発信、共有ができるte.to.teは、本当に重宝しています。仕事のやりとりと一緒に、カンヌの最新情報を伝えたりしています。時間のロスなく、自然とコミュニケーションがとれて、それがそのまま次の企画につながったりします」 (熊本さん)

 熊本さんは、今年のカンヌ出品作品のトレンドやトピックスをツイッターのように気軽にte.to.teに書き込んでいく。それを見た東京のオフィスのメンバーからも、手書きでの質問やコメントが寄せられ、お互いのイメージのキャッチボールが進んでいく。カンヌで起きていることをリアルタイムに東京にいるスタッフと共有していく様子は、トップクリエイティブカンパニーならでは。

  熊本さんは、その後もセミナーやパーティーで出会った人々から得た情報、画像含めてte.to.teで世界の潮流を東京にいるメンバーにリアルタイムに同期していた。

 このおかげで帰国後は報告を飛ばすことができ、すぐに次に向けての企画会議に入れるのだという。このスピード感、トレンドの移り変わりの激しい広告業界では当然のことなのだろう。


週刊朝日