いまやドラマやCMに引っ張りだこで、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの剛力彩芽、19歳。

 だが、世間で高まる評価をよそに、本人は「いま仕事があることを当然と思っていない」と冷静だ。10歳で芸能界入りしてからはオーディションで落選を繰り返し、仕事がない時期もあった。その経験があるからこそ、過密スケジュールでも一つひとつの仕事に全力を尽くす。

 7月からは全寮制の警察学校を描いたドラマ「ビギナーズ!」に、新人警察官役で出演する。

「今度の役は10代後半の設定で、私と等身大。だけど、『剛力彩芽だ』ではなく、その役名で呼ばれるくらいの演技をしたい」

 最近、空き時間に高橋歩のフォトエッセーをよく読む。好きな言葉は「自分の仕事を嫌ってるようなクソッタレだけにはなりたくない」。初心を忘れないために繰り返し読んでいるという。新進気鋭の女優は、その名に負けない芯の強さを持っている。

※週刊朝日 2012年6月22日号