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東北の被災地では、昨年末から仮設商店街や屋台村などが続々とオープン。岩手県釜石市の「呑ん兵衛横丁」もその一つだ。
昭和30年代に生まれた呑ん兵衛横丁は釜石市の名物。戦後、夫を失った女性たちが、製鉄所の水路の土に蓋をして屋台を開いたのが始まりだ。今回の震災では、24店すべてが津波に流され、今や跡形もない。東京・渋谷の「のんべい横丁」をはじめ全国から支援が集まり、昨年末に仮設店舗がオープンした。まだ寒さの続く春の夜、"お母さん"たちの手料理と笑顔が、じんわりと心身を温めてくれる。
「向島」店主の佐藤セイ子さん(67)は、昨年8月まで避難所にいた。「炊き出しのおにぎりを作ったりしてたのよ」。昨年末に店を再開し、今は仮設住宅から通う。「最初は初対面のお客さんばかりで疲れちゃった。でも、部屋にいるより働いているほうがいいわね」と笑う。
「釜石から出たことないの。井の中の蛙ね」と笑う「とんぼ」店主の高橋津江子さん(70)は、24年前から一人で店を切り盛りしている。魚料理を中心に、常時8~10種類を揃える。「ここのは何でもうまいんだ」と常連客は言う。建設業関係者、被災者、ボランティアが集う。
地元では「どんこ」と呼ばれるエゾアイアメの肝のたたき(500円)も名物だ。
※週刊朝日 2012年4月27日号
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