団塊の世代の高齢化で一気に増えると見られているシニア世代。現在、この世代を新しく「グランド・ジェネレーション」と捉える考えが生まれている。ショッピングモールなどを展開するイオンはそこに商機を見出し、「グランド・ジェネレーション」向けの商品展開を行うことを決定。3月28日、東京・日比谷で記者会見を開いた。

「グランド・ジェネレーション」とは、放送作家の小山薫堂氏が提唱する、シニアに代わる世代の呼び方。グランドは最上級を意味し、この世代が人生の中でも最上である、という考え方に基づいている。

 イオンリテール代表取締役社長の村井正平氏は、「今後は高齢化が日本だけでなく、アジア共通の課題になる」「2030年には、現在イオンがメインターゲットとしているファミリー層よりも、グランド・ジェネレーション層の方が大きくなる」ことなどを説明。今後、グランド・ジェネレーションが消費の中核を担うであろうことを想定し、今回の戦略に至ったと話した。

 具体的な商品としては、50代以上の男性向け下着や、40代以上の女性向け化粧品などのほか、個食化に対応してひとつずつ解凍して食べられる和菓子などを販売する。

 サービスでの取り組みとしては、高齢者限定のICカード「ゆうゆうワオン」を発行。イオンが毎月行っている20日、30日の「お客さま感謝デー」とは別に、「ゆうゆうワオン」は年金支給日の15日も5%オフになる。村井社長は、「コンビニや鉄道のICカード利用単価が600円~800円であるところ、WAONでは単価が1700円と高くなっている」と話し、商機のひとつとして考えていることを披露した。

週刊朝日