だが、お金は料理学校には支払われなかった。被告は現金の受け取りそのものを否定しているが、検察の指摘によれば、被告は大出さんに感謝のメールを送る一方で、25日にAさんにもこんな趣旨のメールを送ったという。

〈昨日、パパが日本に戻り、お土産を取りに来いというので行ったら、お小遣いだった。ホテル帰りに現金くれたので、怖くて帰りはタクシーで帰った〉

 メールには、帯封つきの100万円束四つの写真が添付されていた。そして、木嶋被告はこう続ける。

〈Aさんとホテルに行くことばかり考えてる〉

 8月5日、大出さんは自身のブログに、
「今夜から2泊3日で相手と婚前旅行に行きます」
 と書き込み、東京都板橋区内にあった木嶋被告のマンションに向かったが、翌朝、埼玉県富士見市内の駐車場に止めた車の中で、一酸化炭素中毒で死亡しているのが見つかった。

 被告は殺害を否定し、大出さんは被告との別れ話を苦に自殺したのではないかと主張している。

100日に及ぶ裁判では、どこまで真実が明らかになるのか。本誌は精力的にウオッチしていく。 

週刊朝日