「Cさんに対しては、『出会いは運命で必然』という言葉を送っています。これは、なんで若い女性が自分のような高齢者に?という違和感を『運命』というロマンチックな言葉ですり替えているのです。メールを見ると、被告は相手に合わせているようで、一貫して主導権を握っていることがよく分かります」(羽林さん)

 木嶋被告は、Cさんとも7月29日に東京・池袋のフランス料理店で食事をともにするなど関係を深めていく。もちろん、食事後はすぐに礼状メールを認め、大出さんと同じく自宅の住所を知らせている。

〈ごちそうさまでした。美味しいフランス料理をありがとうございました。暑い中、わざわざお越しいただいてありがとうございます。想像以上に素敵で元気な方で驚きました。私の住所を送りますね〉

 一方、肉体関係については、男性としての機能に関係なく裸で抱き合えればいいという趣旨で、
〈肌と肌の触れ合いで安らぎや愛情を感じたい〉
 と伝え、高齢という点への配慮をにじませる。

 検察側は、木嶋被告が大出さん、Cさんと頻繁にメールを交わす一方で、恋人とみられる男性とも逢瀬を重ねていたと指摘する。

 交際していた男性のなかで唯一、木嶋被告が金銭を要求しなかったAさんだ。

 Aさんとは、7月18~21日に福島県の裏磐梯を旅行しているが、木嶋被告はその旅行中も、
〈私も早く嘉之さんと幸せになりたいです。嘉之さんはハンサムなので、子供ができてもきっと可愛いだろうなとウキウキしています〉
 とフォローを欠かさない。そして帰京後はすぐに、
〈自宅で話して、生涯の伴侶として認めてくれるなら、その後ラブホテルに行ってもかまいません〉
〈もちろん避妊しなくてかまいません〉
 と迫り、2人は23日に肉体関係を結んだという。

 翌24日には、料理学校への学費支払期日が迫っているという木嶋被告の要求に応え、大出さんはJR神田駅構内で470万円の現金を渡したとされる。

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