3・11大震災の発生後、原発事故のスポークスマンとして一躍、"時の人"となったものの、女性職員との「不適切な交際」を11年6月、週刊誌に暴露され、停職1カ月の懲戒処分。同11月には経産省を追い出され、環境省の福島除染推進チームへ配属--西山英彦・元官房審議官(54)がたらい回しにされ、針のむしろだ。
西山氏は12年1月に立ち上がる予定の「福島環境再生事務所」へ次長として赴任する予定で、福島入りするなどしていたが、国会で野党から12月、待ったをかけられた。
「こんな人物が除染を担当して福島の皆さんが信頼するか。不適切ではないか」
細野豪志環境相が「本人は表に出ることなく、東京、そして本当に必要なときは地元に行って、裏方としてしっかりと除染で汗をかきたいと申しております」と答弁し、またも蟄居(ちっきょ)の身となってしまったのだ。
受難が続く西山氏に、古巣の経産省では同情論が漂いまくっているという。
「うちは幹部の不倫ってよくあるので、西山さんだけ懲戒処分なんて、あんまりです。お父上が裁判官という影響もあり、真面目で腰が低く、本当に良い人だったのに......」(経産省職員)
東大法学部卒、ハーバード・ロースクール修了の西山氏は同省通商政策局審議官まで上り詰めた超エリートで、震災がなければ、順調に出世できたという。
「西山さんはマメな方で毎年、ホワイトデーのお返しを自ら銀座の三越に買いに行き、チョコをもらった女性職員一人ひとりに配っていました。キャリア審議官、局長ともなると、秘書や元部下に託すケースが多いのですが、そのマメさが仇(あだ)になりましたね」(同省女性スタッフ)
経産省では重い懲戒処分を受けた幹部は、依願退職するのが通例だが、あえて西山氏は居残ったという。
「お相手は高学歴ですが、かなり大変な女性だったようです。真面目な彼は被災地で罵声を浴びても、除染活動を頑張るつもりだったようなのに、またも糾弾され、本当に踏んだりけったりですよね」(前出の職員)
頑張れ、西山さん。