体験者が語る「最後の恋」の始め方 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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体験者が語る「最後の恋」の始め方

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 大きな不安や、困難に押しつぶされそうになったとき、人はだれかに受け止めてもらいたいと思うのかもしれない。

 30代後半から定年後のシニア世代を対象とした結婚相談所「M,sブライダルジャパン」でもそんな傾向が顕著に表れているという。「東日本大震災後の3月下旬から、問い合わせの件数がそれまでの3割も増えました。休会された方が再入会されるケースも多いですね」(代表取締役社長・宮崎央至さん)

 結婚相談所各社は、軒並み同じような傾向があるようで、震災が生んだ思わぬ余波と受け止めている。

 配偶者との離別や死別で、新たなパートナーを求めているシニア世代は少なくない。だが、どうやって出会えばいいのかわからないというのがこの世代の特徴でもある。これから紹介する2組の夫婦の出会いが参考になればと思う--。

◆「再会した彼は別人でした(笑い)」◆

 2008年9月、本郷豊さん(62)と雅子さん(62)が通っていた小学校の同窓会があった。雅子さんはこれまでにも何度か同窓会に出ていたが、国際協力機構(JICA)の職員として日本とブラジルを20年にわたって行き来していた豊さんは、このときが初めての参加だった。

「海外生活が長く、行方知れずにされていました。たまたま幹事がインターネットで私の名前を見つけてくれて、職場に案内状をくれたんです。よくぞ見つけてくれたと驚きました」

 とはいえ、そのときの豊さんは、ウキウキと参加できる心境ではなかった。難病を患っていた前妻が7年間の闘病生活の末、07年12月に他界していたからだ。

 30代の娘と息子は結婚して独立し、08年3月に早期退職して嘱託になった。

「独り身の気楽さもあって、『アフリカ・サバンナ農業開発協力構想』の実現に向けて奔走していました」

 50年ぶりに再会した雅子さんの顔と名前はすぐに一致した。小学生のころのヘアピンで留めた髪形や、いつもニコニコしていたことを思い出した。

「自己紹介で離婚をしたと聞いて、気になりました。家庭が円満な人が多かったので、"仲間意識"を感じたのかもしれません」

 雅子さんは47歳のときに、夫への信頼を失い離婚した。小学6年生と高校3年生だった娘を引き取り、外資系企業の秘書などをしながら一人で育ててきた。

「『夫のために残りの人生を費やしたくない』という一心で離婚しました。後悔はしていませんが、娘が学校を卒業するまでは大変でしたね」

 同窓会で豊さんを見たときは、あまりの変わりように驚いたという。

「昔の彼は、髪の毛フサフサ、背も高くてかっこよかった。背が小さかった私のことをチビと呼んでいたんです。再会した彼は正反対でした(笑い)。でも、あの日は2次会では話が弾んで楽しかったですね」

 その後も仲間で連絡を取り合い、グループで食事に行くなど会う機会が増えていった。すぐに再婚を意識したわけではないが、09年に転機が訪れた。


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