──部屋全体の片付け方のコツを教えてください

 本は本棚、服はクローゼットに入れる、といった物の属性によって収納場所を決める方法ではなく「いつ使うか」によって収納場所を決めるのがコツです。持ち物をすぐ使う物と使わない物に分け、前者は直立状態で自分の手が届く範囲(ハンディゾーン)にまとめ、後者は箱に詰めて収納場所の奥にしまいます。

 一人暮らしの学生の場合は、トイレットペーパーや歯ブラシなどの消耗品の買い置きが増えてしまうことがあると思います。そういう事態を防ぐために、買い置きは1カ所にまとめて収納し、写真を撮影しておくと良いです。自宅にあるストックが外出先でも一目で分かるので、買い置きに偏りが出るのを防ぐことができます。写真を撮っておくことで探し物の手間も省ける点でもお勧めです。

──今すぐは使わない物はどこに収納すれば良いでしょうか

 押し入れの上部など自分の手が届きにくい位置に置くと良いと思います。家の外で保管するという手もあります。私が今関わっている「サマリーポケット」は、専用ボックスに荷物を詰めて送ると倉庫で預かってもらえる収納サービスです。私も卒業アルバムや色紙、オフシーズンの衣類などを預けています。アプリで収納している物の写真を確認できるのも利点です。こういったサービスを利用すれば、家の収納が小さくても物であふれず快適に過ごせます。

■机には何も置かない

──作業に集中できる環境をつくるための方法についてお聞きします。机周りの片付け方を教えてください

 私も学生の時そうだったのですが、東大生は辞書や書籍を机の上に並べるのが好きな人が多いですよね。そうすると、視界の隅にちらちらと表紙の文字が入ってきて気が散ってしまいます。クリエーターなど発想力を広げる仕事をしている時は役に立ちますが、試験中は集中する必要があるので邪魔になってしまいます。照明やパソコンといった作業する際に必ず使う物以外は、思い切って机の上からどかしましょう。机の上に置いていた文房具や書籍は、机の脇にカラーボックスや本棚などを置き、使うたびに取り出すようにします。とにかく視界から余計な物を排除することが大切です。

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