早いもので、今年も残り1か月。季節は秋から冬へと着々と進んでいます。今年の秋ははどんな秋だったのでしょうか。9月から11月の天候の特徴をまとめました。

★9月 台風18号 西日本縦断

9月は、中旬に台風18号が九州・四国・本州の3島を縦断しました。17日に鹿児島県垂水市付近に上陸した台風18号は、その後高知県西部、兵庫県明石市付近に再上陸し、新潟県沖で温帯低気圧に変わりました。大分県には4回も記録的短時間大雨情報が発表され、佐伯市では1時間に84.5ミリの息苦しくなるような猛烈な雨が降り、観測史上1位の記録を更新しました。大分市(佐賀関)では日降水量が334.0ミリに達し、こちらでも観測史上1位の記録を更新する大雨となりました。
また、28日は、発達した低気圧の影響で、全国的に雨が降り、特に東海から関東では大雨に見舞われました。千葉県や神奈川県では1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り、道路が冠水した所もありました。この大雨のあとは、平年より5度から10度くらい低い寒気が北日本を中心に流れ込み、28日から29日へ日付けがかわる頃、北海道郡幌加内町(朱鞠内)で最低気温が氷点下となり、今シーズン全国初の冬日(日最低気温が0度未満の日)となりました。29日は、北海道の利尻山から初冠雪の便りが全国トップをきって届き、翌30日には旭岳も初冠雪となりました。

★雨の多い10月

秋晴れは長続きせず、秋雨前線や寒気の影響で全国的に曇りや雨の日が多くなりました。21日から23日と、27日から29日に台風21号と22号が2週続けて襲来し、河川の氾濫や土砂災害などの被害が発生しました。月間の降水量は全国的に平年より多く、大阪430.0ミリ、名古屋530.0ミリ、広島387.5ミリといずれも10月の1位の記録を更新しました。気温は暖かい空気が流れ込みやすかった沖縄・奄美ではかなり高く、那覇では7日に最高気温33度を観測。暑いイメージがある那覇ですが、実際は35度以上となる日は夏場でもあまりありません。7日は10月として102年ぶりに高い最高気温を観測し、10月としての最高気温のタイ記録となりました。10月中旬以降は、台風21号や22号の通過した後、度々寒気が流れ込み、季節は一気に冬へと進みました。23日、富士山で初冠雪が観測され、札幌では初雪となりました。30日は強い冬型の気圧配置となって、東京地方と近畿地方で木枯らし1号が吹きました。

★寒かった11月

11月上旬は、東日本・西日本は高気圧に覆われて晴れた日が多くなりましたが、中旬から下旬にかけては度々低気圧が北日本付近を発達しながら通過。低気圧通過後は、北日本を中心とする冬型の気圧配置となり、強い寒気が断続的に日本付近へ流れ込みました。21日は全国的に冷え込みが強まり、冬日(日最低気温が0度未満の日)地点数は505地点と全国の半数以上のアメダス地点で観測しました。翌22日は東京の最低気温は3度2分と、今シーズン最も低くなりました。また、札幌では11月に真冬日(日最高気温が0度未満の日)が5回となりました(19日、20日、24日、25日、30日)。これは、1912年以来、11月としては、105年ぶりの多さです。
度重なる寒気の影響で、北日本や北陸では雪の積もった量も多くなりました。19日には札幌で29センチの積雪を記録し、11月中旬までの記録としては、17年ぶりの大雪となりました。26日には青森県青森市(酸ケ湯)で、積雪が1メートルに達しました。雪の多い東北ですが、11月中に積雪が1メートルに到達したのは、2007年以来10年ぶりのこととなりました。