触ったときにひんやりと感じられる接触冷感素材の衣類は、夏の暑さ対策に重宝するアイテムです。

ただ、接触冷感にはメリットが多い反面、いくつかのデメリットもあります。
接触冷感の衣類を選ぶときは、メリット・デメリットの両方をよく理解した上で購入しましょう。

今回は、接触冷感のメリット・デメリットと、接触冷感商品の選び方、選択のポイントについて解説します。

接触冷感のメリット

接触冷感の商品を活用するメリットは、大きく分けて3つあります。

■1.涼しい
接触冷感の素材は、繊維中に多くの水分を含めること、熱伝導率や熱拡散率が高いこと、質感がやや硬いことなどから、触ったときにひんやりとした感覚を得られます。

気温が高くなりやすい夏場でも、接触冷感の衣類や寝具を活用すれば、涼しさを感じることができます。

■2.電気代を節約できる
接触冷感の衣類や寝具を使うと、いつもより涼しく感じられるので、エアコンの設定温度をやや高めにしても暑さを感じにくくなります。暑い日は、エアコンの設定温度を低くするほど電気代を多く消費するので、接触冷感の商品を上手く活用すれば電気代の節約になります。

■3.冷えに悩まされにくい
長時間にわたってエアコンや扇風機の冷風を浴びていると、体が冷えてしまい、体調不良を引き起こす原因となります。接触冷感は触るとひんやりしますが、体の芯を冷やすほどの強さはないので、冷やしすぎによる体調不良を心配する必要はありません。

接触冷感のデメリット

接触冷感にはメリットだけでなく、使用時に注意しなければならない点がいくつかあります。

■1.冷感が長続きしない
接触冷感は、使い始めこそひんやりしていますが、接触した部分から体温が移るとだんだん冷感が失われていきます。接触冷感の商品には、自身を冷却する効果はないので、一度温かくなると、使用中はひんやり感が戻りません。

再び冷感を感じられるようになるのは、熱の影響を受けない場所に放置して放熱する必要があります。そのため、長時間暑い場所で過ごす場合は、接触冷感だけに頼らず、他の方法も併用して暑さ対策することが大切です。

■2.吸水性が低い
接触冷感の商品によく用いられるポリエチレンやジェル、ポリエステルなどの素材は、吸水性が低く、水や汗をあまり吸い取ってくれません。
大量の汗をそのまま放置すると、ベタつきやニオイに悩まされるほか、汗冷えで体調不良を引き起こす原因になることもあります。

■3.毛玉ができやすい
接触冷感に用いられるポリエステルやレーヨンなどの素材は、他の繊維に比べて毛玉ができやすい傾向にあります。衣類なら脇の下や内股、寝具なら全面に摩擦が起こりやすいので、毛玉取り器などを使ってこまめなお手入れが必要です。

接触冷感の商品の選び方

接触冷感の商品を選ぶ際に押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

■1.接触冷感の値(Q-max)で選ぶ
素材を触ったときに冷たいと感じるかどうかは、Q-maxと呼ばれる値によって表されます。

Q-maxとは最大熱吸収速度のことで、値が高いほど肌に触れたときのひんやり感が強くなります。Q-max値が0.2以上あれば、商品に「接触冷感」と表示することが可能ですが、最近は0.4を超えるものも開発されています。

Q-maxが高いほど着心地、寝心地が良くなるというわけではありませんが、ひんやり感を重視するのならQ-max値に着目して商品を選ぶのがポイントです。

■2.素材の違いにも着目する
接触冷感に用いられる素材は複数あり、それぞれ特徴が異なります。
たとえばポリエステルは速乾性と強度に優れていますが、吸湿性が低いところが難点です。

一方、レーヨンは吸湿性・通気性ともに高い傾向にありますが、水に弱く、シワになりやすいという欠点があります。

このように、同じ接触冷感でも素材によって特徴に差があるので、用途やニーズに合った素材を選ぶようにしましょう。素材の良いところ取りをしたいのなら、ポリエステル×レーヨンといった混紡素材を選ぶのもひとつの方法です。

接触冷感の商品を洗濯するポイント

接触冷感の商品を洗濯する際のポイントを2つご紹介します。

■1.洗濯ネットに入れる
接触冷感の商品をそのまま洗濯すると、他の衣類との間に生じた摩擦の影響で毛玉ができやすくなります。衣類でも寝具でも、接触冷感のものを洗濯する際は必ず洗濯ネットに入れ、なるべく摩擦が起こらないようにしましょう。

■2.乾燥機は使わない
接触冷感の商品に用いられる素材の多くは、熱に弱い性質を持っています。乾燥機を使用すると生地が傷む可能性があるので、接触冷感の衣類や寝具は脱水をかけた後、外干しまたは部屋干しで乾かすようにしましょう。

接触冷感の商品を上手に活用して暑さを乗り切ろう

接触冷感は、触れたときにひんやりとした心地よさを感じられる素材なので、衣類や寝具に取り入れると暑さ対策に役立ちます。
涼感を得られるぶん、エアコンなどの電気代を抑えられるのも利点ですが、冷感が長続きしない、毛玉ができやすいといったデメリットもあります。

そのため、接触冷感商品を利用する際は、他の暑さ対策と併用する、洗濯ネットに入れて洗うなど、いくつかのコツを取り入れることをおすすめします。

接触冷感の衣類を着るタイミングを知りたいときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「服装指数」を参考にしてみましょう。服装指数が70を超えると暑さを感じやすいので、接触冷感の衣類の着用を検討することをおすすめします。

服装指数は毎日公開されていますので、お出かけ時の服装選びにぜひご活用ください。