春から秋にかけてのキャンプと比べて、冬のキャンプは初心者にとってハードルが高め。エリアによっては雪の中でのキャンプになりますし、そうでなくても最高気温が10℃以下ということも珍しくなく、寒さに悩まされることになります。

でも寒いことだけが問題なら、きちんと対策をしておけばOK。むしろ過酷な条件だからこそ、そこでの体験のすべてが記憶に残るでしょう。大人も子どもも楽しい記憶として残る冬のキャンプ。これまで挑戦したことのない人のために、今回はその魅力についてご紹介していきます。

冬キャンプにはこの季節だからこその魅力がいっぱい
冬キャンプにはこの季節だからこその魅力がいっぱい

冬のキャンプをおすすめする理由

冬のキャンプというのはとにかく寒いので、キャンプ好きの人でもオフシーズンとしてキャンプ場に行かなくなりがち。でも冬のキャンプにはその季節だからこその魅力があります。例えば下記のようなおすすめポイントがあります。

● キャンプ場の利用者が少なくて静か

● 空気が澄んでいて星空がきれい

● 焚き火のありがたみを感じられる

● 温かい料理がいつも以上に美味しく感じる

● 虫が少ない

キャンプ場に人が少なく、来ている人も本格的にキャンプを楽しみたい人ばかりなので、夏場のように騒がしくなることがありません。大人の空間になり、さらには空気が澄んでいるので夜になると満天の星が楽しめます。

もちろん寒さが大きな課題になりますが、寒いからこそ焚き火のありがたみが分かりますし、さらにはダッチオーブンなどを使った温かい料理を、いつも以上に美味しく感じます。寒さは最高の調味料とも言いますが、まさにそれを実感できるのが冬のキャンプ。

そして他の季節のように虫に悩まされることもありませんので、虫が嫌いという人もキャンプを満喫できます。

寒いからこそ焚き火や温かい料理を満喫できます
寒いからこそ焚き火や温かい料理を満喫できます

寒さ対策を意識した服装で楽しもう

冬のキャンプを楽しめるかどうかは、どのような服装をするかで決まるといっても過言ではありません。どれだけ優秀な防寒着でも1枚だけで寒さをしのぐことはできませんので、冬キャンプでは重ね着を基本としましょう。

ベースレイヤー:下着

ミドルレイヤー:中間着

アウターレイヤー:上着

この3構成を意識してウェアを揃えてください。ベースレイヤーには吸湿速乾性の高い肌着を選んでください。ポイントは速乾性があることです。最近は体から発生する水蒸気を熱に変える肌着が増えていますが、熱を発するだけではNGで、速乾性がないと汗冷えしてしまいます。

吸湿速乾性の高いベースレイヤーを着たら、その上にフリースやインナーダウンなどの保温性が高いウェアをミドルレイヤーとして重ね着しましょう。温かい日中はベースレイヤーとミドルレイヤーだけで過ごせるくらい、しっかりと温かいものを選んでください。

アウターレイヤーは用途によって使い分けが必要です。焚き火をするならコットン製の燃えにくいものを選び、冷たい風に耐えなくてはいけない環境なら耐風性の高いアウトドアジャケットを選びましょう。

パンツも2~3枚の重ね着が基本で、ベースレイヤーにタイツ、ミドルレイヤーにはフリース素材、そしてアウターレイヤーには燃えにくいコットン製か耐風性や防水性の高いものを選んでください。ただし、重ね着をしすぎると歩きにくいので、ミドルレイヤーは寒くて耐えられないときだけで構いません。

用途を考えた重ね着をして寒さ対策をしっかりすること
用途を考えた重ね着をして寒さ対策をしっかりすること

冬キャンプを快適にするためのアイテム

服装をしっかりと対策すれば、氷点下にでもならない限り寒さに悩まされることはありませんが、下記のようなキャンプアイテムを揃えることで、さらに快適に過ごせるようになります。

● 冬用の寝袋

● 毛布

● 湯たんぽ or カイロ

● コット

● ストーブ

● カセットコンロ

寝袋は必ず冬用を用意してください。事前にキャンプ場の気温を調べておき、その気温での使用に適した寝袋を選ぶことで、寒くて眠れないという失敗を防げます。念のため毛布も数枚持っていくと安心です。さらに湯たんぽやカイロがあれば完璧です。

氷点下の環境で地面が凍結していると、冬用の寝袋でも耐えられないことがあります。その場合にはコットを用意しましょう。地面との間に空気の層を作ることで、冷たさを回避できます。

また起きている時間を快適にするには暖房器具が必須。焚き火だけでは心もとないので、ガスストーブや石油ストーブがあると安心です。すぐにお湯を沸かせるようにカセットコンロもあると便利です。いつもよりも荷物が多くなりますが、快適さ重視で買い揃えておきましょう。

寒さ対策を考えたアイテムを用意しておこう
寒さ対策を考えたアイテムを用意しておこう

冬シーズンにキャンプをするときの注意点

冬キャンプは冬だからこその魅力がありますが、寒さによる思わぬトラブルが起きがち。そこで冬シーズンのキャンプで気をつけるべきポイントをご紹介しておきます。

● テント内では火気厳禁

いくら寒くてもテント内での火気は厳禁です。ストーブなどを持ち込むと一酸化炭素中毒になってしまう可能性があり危険です。どうしても使いたい場合には強制的に換気できる環境を整えて、なおかつ一酸化炭素警報機を設置しましょう。

● 水をタンクで保管しておく

冬のキャンプ場では朝になると水道が凍結して、水が使えなくなることがあります。前日のうちに水をタンクなどに入れて確保しておきましょう。もしくはミネラルウォーターを多めに持っていくと安心です。

● モバイルバッテリーの予備を持っていく

キャンプ場でライフラインになるスマートフォンですが、気温が低いとバッテリーがいつも以上に減ってしまいます。それも驚くほどあっという間に減っていくので、モバイルバッテリーは1個だけでなく予備も持っていきましょう。予算に余裕があるならポータブル電源もおすすめです。

● 帰りの道が凍結していることを想定する

キャンプ場をチェックアウトしたあとの帰り道、周辺の道路が凍結していることが多いので慎重に運転しましょう。雪が降っていなくても、冬キャンプには冬用タイヤが必須。キャンプ道具だけでなく、車も冬仕様にしたうえでキャンプ場に向かってください。

寒いからこそ安全重視でキャンプを楽しみましょう
寒いからこそ安全重視でキャンプを楽しみましょう