●こんな文面の情報・メールは、「流言」「デマ」の可能性が高い
<「政府(官公庁)関係者」「大学関係者」など、内部からの情報を匂わせる文面>
<伝聞ばかりなのに「拡散希望」「広めてください」などと書かれた文面>
<「メディアは取り上げない」「マスコミが報じない」などと書かれた文面>
これらは、すべて流言やデマの定番。
少しでも怪しいと思ったら、「反射的にリツイートしない」「友人知人に転送しない」こと。
ひと呼吸おいて、情報の正確性を調べてみてください。
ボランティアや炊き出しなどで被災地を訪れた人が、「見たままの情報」を発信する……こんなケースもありますよね。
確かに「伝聞」ではありませんが、あくまで「一面に過ぎない」ことを、発信する側も、情報を受ける側も意識することが必要です。
●「災害時にも混乱せず、世界から賞賛を受けた日本」……これもデマ
「災害時でも整然と行動し、お互いを思いやる日本人」「混乱が起きなかったのは日本の治安がいいから」……こんな話をよく聞きますが、実はこれもデマの一つです。
緊迫した状況下では、多くの人が「利他的」になり、見知らぬ同士で助け合うようになることが、さまざまな国での調査によって明らかになっています。日本社会だけが特別なわけではないのです。
この事実は、世界的にもあまり知られているとは言えないようです。
「災害が起きると治安が悪化しパニックが起きる」と信じている人が多く、映画などでも「ヒステリックに逃げ惑う被災者」が描かれたりします。
かつてアメリカ南部をハリケーンが襲った際には、「人びとが暴徒化した」「町が無法地帯になった」などの噂が流れ、それをメディアや警察が信じてしまったことで被害が広がりました。
実際には、物資を分け合ったり、逃げ遅れた人の救助を手伝ったりと、被災者のコミュニティが生まれていたのだそうです。
こうして見てくると、「自分だけが」特別な情報を知っている、「自分たちだけが」特別に優れている……こんな心理が、「流言」や「デマ」の発生・拡散に関わっている気もしてきます。
国や民族を超えて、よく似た感情や行動のパターンが生まれる……これを知っておくことが、情報を吟味するためのヒントになるのかもしれません。
参考:荻上チキ「検証 東日本大震災の流言・デマ」、レベッカ・ソルニット著(高月園子訳)「災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか」