元旦、賀状、初夢、どんど、早くも春の予感……。この時季特有の景観を詠んだ1月の詩歌 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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元旦、賀状、初夢、どんど、早くも春の予感……。この時季特有の景観を詠んだ1月の詩歌

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新年の初日の出はお天気がよいといいですね〈富山県・雨晴海岸のご来光〉

新年の初日の出はお天気がよいといいですね〈富山県・雨晴海岸のご来光〉

2016年の干支は「さる」ですね

2016年の干支は「さる」ですね

初夢に見ると縁起が良い「一富士 二鷹 三茄子」

初夢に見ると縁起が良い「一富士 二鷹 三茄子」

どんど焼き

どんど焼き

いよいよ2015年も、残すところあと3日となりました。
買い物、大掃除、帰省、正月料理の準備……と、多くの人がせわしない時間を過ごすのも、この時季ならではですね。混雑した道を車で帰省される方は、一年の疲れが出る時季でもありますので、十分運転に注意してくださいね。
さて、〈ゆく年や蕎麦にかけたる海苔の艶〉久保田万太郎 ── と惜しんでいた一年も明けると元旦です。
少し気が早いのですが、正月の詩歌をご紹介しましょう。

新年の期待と緊張感

まだ明けない元旦の句です。期待と緊張感が交錯するような句です。
〈元旦や暗き空より風が吹く〉青木月斗
初日の出はなんだか頼もしいですね。
〈何が走り何が飛ぶとも初日豊か〉中村草田男
〈大初日海離れんとしてゆらぐ〉上村占魚
揺らぎながら上る太陽に豊かさを感じます。
〈初雀嘴(はし)よりひかりこぼしけり〉岸田稚魚
元旦の雀の嘴に光がこぼれて見えるという、微細なものに詩を見つけ出す俳句ならではの句です。
〈元日の鶴大股にすすみけり〉阿波野青畝
元日だからといって鶴の歩幅が変わるものでもないでしょうが、堂々としておめでたいイメージです。
〈元日や神代(かみよ)のことも思わるる〉荒木田守武
〈元日や枯野のごとく街ねむり〉加藤楸邨
「神代」は古代の神話の時代のこと。昔のお正月は、古代のことが思い出されるような静かな一日でした。
〈初日さす硯の海に波もなし〉正岡子規
〈一波に消ゆる書初め砂浜に〉西東三鬼

新年の行事の楽しみ

新年にはさまざまな行事があって、楽しいものです。
書き初めは気分が改まってやはりいいものですね。硯の墨をためる部分を「海」と呼ぶので、初日がさす本当の海を連想しています。
初日の出を見に行った海岸の砂浜に書く書初めはすぐに消えてしまいますけれど…。
楽しみなのは年賀状です。
〈遠き人遠き想いの賀状来る〉山下麦秋
〈人去りて賀状それぞれ言葉発(な)す〉角川源義
年賀状があたかも親しくものを言っているようです。角川源義は俳人で角川書店(現KADOKAWA)の創業者だった人です。
初夢は元日の夜または2日の夜に見る夢のことです。最初はおめでたそうな夢ですが、
〈初夢に大いなる鞠(まり)を貰(もら)いけり〉阿部みどり女
〈初夢の扇をひろげしところまで〉後藤夜半
〈初夢に何やら力出しきりし〉岡本眸
なにか覚えてないけど、年の始めから苦労する夢を見てしまいました。ユーモラスな句です。

2016年は、心穏やかな良い年になることを祈って

さて、松が明けて14日か15日に行われる火祭りを「左義長(さぎちょう)」といいます。新年の飾りものや書初めなどを焼く行事です。「どんど」「とんど」などともいいます。この火で焼いた餅を食べます。
〈注連(しめ)を焼く火のはなびらに雪降れり〉野見山朱鳥
〈とんどの子去りし星空さがり来る〉中村六花
まだまだ寒いのですが、なんとなく春の予感がしてくるような短歌です。
〈日おもては雑木(ぞうき)にこもる霜の気の照りあたたかし春めきしかも〉北原白秋
〈このごろの一日二日にわがやどの軒端のうめもいろづきにけり〉良寛
毎年のように思うことですが、2016年は心静かなよい年になるといいですね。


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