今こそ、旬たけなわのキノコ! 秋ド真ん中、明日10月15日は、なんと「きのこの日」なんです!

2015/10/14 16:30

秋が旬のキノコは、煮てよし、焼いてよし、炒めてよし、揚げてよし、炙ってよし。 和食はもちろんフランス、イタリア、中国料理など、ジャンルを問わず具材として重用されるキノコは、様々な調理法と食べ方がある万能食材です。 そんなキノコですが、明日10月15日はキノコをよりたくさんの人に食べてもらえるよう、日本特用林産振興会が制定した「きのこの日」。 今回は「きのこの日」にあやかり、キノコの生態と魅力に迫ります!

毒キノコにもかかわらず“幸福のシンボル”として親しまれる「ベニテングタケ」。野山でみつけても絶対食べてはダメ!
毒キノコにもかかわらず“幸福のシンボル”として親しまれる「ベニテングタケ」。野山でみつけても絶対食べてはダメ!
動物でも植物でもない「第3の生物」。その名もキノコ キノコとひと口にいっても、エノキやシイタケ、シメジにマイタケなど私たちになじみのあるものから、マツタケやポルチーニ、トリュフなどの高級なものまで種類はさまざま。 なかには触っただけで手がかぶれる毒きのこも!  そんなバリエーションに富むキノコですが、形状や栄養の取り方など、意外と知られていない不思議がいっぱいなのです。 ところで、そもそもキノコって何なのでしょうか? 生物は大きく「植物」「動物」「菌類」に分類されます。 「植物」は、光合成を行えて自分で栄養をつくれる生き物。 「動物」は、植物やほかの動物から栄養を摂取し、酸素を吸って生きている生き物。 植物の枯葉や動物のフン、死骸などを食べて分解しているのが、キノコを含む「菌類」です。 菌といえば、湿気の多い季節に食べ物や飲み物を放置し発生してしまうカビがおなじみですが、キノコとカビの違い、ご存じですか? キノコとカビはじつは同じ仲間で、大きさで分類されています。肉眼で確認できる大きさの菌がキノコ。顕微鏡で見ないとわからない菌がカビ。キノコとカビは見た目の違いの呼び名であって、分類学の用語ではなく、サイズによって区別されていたのです。
「西洋松露」とも呼ばれる、塊状の高級キノコ「トリュフ」
「西洋松露」とも呼ばれる、塊状の高級キノコ「トリュフ」
どうして、キノコはあんな形をしているの? 「キノコの形」といわれてパッと頭に浮かぶのは、やはり柄の上に傘がのったフォルムではないでしょうか。 あの傘は、胞子をつくる傘の裏側(=ヒダ)に上昇気流が生じる構造になっていて、胞子をできるだけ遠くまで飛ばすためキノコ自身が編み出した特別な形です。 そのため、キクラゲなどの傘がついていないキノコは、毛がない面のシワ状の凹凸表面部分で胞子を直接つくりますが、あまり遠くまで飛ばず、そのキノコの周りに発芽することが多いようです。 ほかにも、動物が踏んで歩いたり、雨の粒を利用することで、胞子を撒き散らしているキノコもあります。
ご存じ!高級キノコの代表選手「まつたけ」
ご存じ!高級キノコの代表選手「まつたけ」
ところで、キノコはなにを食べて生きているの? 口があるわけでもなく、光合成を行うための葉緑素も持っていないキノコは、どのようにして栄養を取りこんでいるのでしょうか。 キノコの栄養の取り方は、ものを腐らせて栄養を吸収する「腐生」と、植物と共生関係を結んで栄養のやりとりを行う「共生」の二つがあります。 基本的にキノコは腐生型の食生活で、植物や動物の遺体を腐らせ、その物質を体内に取り込みます。 いっぽう共生型は、長い年月をかけて植物とキノコとで互いに進化を遂げながら強い結びつきを持つように。 キノコは植物から光合成産物である養分をもらう代わりに、無機塩類と水を与えてすくすく成長していくのです。 料理下手な男性に最適! ワインと相性抜群のきのこ料理 ひと通りキノコの生態に詳しくなったところで、実際にキノコのおいしさを堪能しましょう! 香りが高く味わい豊かなキノコと、料理にあわせて香りを楽しむ手伝いをしてくれるワインは相性抜群。キノコの調理法によって、合うワインもかわってくるのです。 ●焼きキノコ シンプルに焼いたキノコに、レモン汁とオリーブオイルをさっとかけた焼きキノコ。フルーティさとミネラル感のしっかりとした白ワインは、キノコの旨みを引き出してくれます。 ●キノコのソテー キノコとベーコンをバターやオリーブオイルでソテーし、最後にコショウをふったキノコのソテーには、軽めの赤ワインがおすすめ。キノコの香りを楽しむためにも、ワインはやわらかめの味をチョイスしましょう。 ●キノコのパスタ オリーブオイルで炒めたベーコンとキノコ、コンソメ、塩コショウ、パスタのゆで汁少々を入れたソースと、ゆでたパスタをあえたキノコのシンプルパスタ。スパイスでシンプルに味つけしたこの料理には、樽で熟成させた複雑な香りと酸味のある赤ワインがぴったり! おいしくて、今が旬のキノコですが、ビタミンB類やビタミンD2、ミネラル、食物繊維などが含まれているため、栄養も満点で、健康や美容にもいいとされています。さらに低カロリーなので、体重が気になる人にも最適! 今年の秋は万能食材であるキノコをたくさん食べて、元気に秋を堪能しましょう!
料理が苦手な人なら、手軽なシイタケやエノキから挑戦してみては?
料理が苦手な人なら、手軽なシイタケやエノキから挑戦してみては?

あわせて読みたい

  • 木とキノコの組合せは決まっている! 木と共生し森を守る「キノコ」の正体とは?

    木とキノコの組合せは決まっている! 木と共生し森を守る「キノコ」の正体とは?

    tenki.jp

    10/13

    高校生が10年で約600種以上のキノコを収集! なぜ彼らは“キノコ部”を選んだのか?

    高校生が10年で約600種以上のキノコを収集! なぜ彼らは“キノコ部”を選んだのか?

    dot.

    5/1

  • 京大の周辺はキノコの宝庫だった! 歌人・永田和宏が語るキノコ狩りの醍醐味

    京大の周辺はキノコの宝庫だった! 歌人・永田和宏が語るキノコ狩りの醍醐味

    週刊朝日

    11/21

    【家つまみ】ハチミツと唐辛子が合う? 「秋鮭のバターソテー甘辛ソース」
    筆者の顔写真

    黒田民子

    【家つまみ】ハチミツと唐辛子が合う? 「秋鮭のバターソテー甘辛ソース」

    週刊朝日

    10/10

  • “きのこ”あれこれ。きのこの旬は秋じゃない!?

    “きのこ”あれこれ。きのこの旬は秋じゃない!?

    tenki.jp

    9/5

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す