9月1日は国民が災害についての認識を深め、地震や台風、豪雨などへの準備をする「防災の日」です。
すでに食料・飲料水の備蓄、家具の転倒防止、家庭内での安否確認方法など……、さまざまな災害対策を取られていると思いますが、いざその時にならないと、わからないことがたくさんありそうです。
今回は災害対策の前に注意すべき点、災害に遭ったときの対応策をご紹介。
この機会に家族、同僚、友人、恋人などと、災害発生時の共通連絡先、共通待ち合わせ場所などを、ぜひ決めておきましょう!

1年に一度の防災の日だからこそ、いざという時のための準備・確認の機会として活用を!
1年に一度の防災の日だからこそ、いざという時のための準備・確認の機会として活用を!

そもそも「防災の日」って何?

多くの国民が防災や災害についての知識を高めることを目的に、1960年に制定されたのが9月1日の「防災の日」です。この「防災の日」を含む1週間(2014年8月30日~9月5日)を防災週間といい、防災に関する講演会や展示会等の開催、防災訓練の実施、防災功労者の表彰などが、国や全国の地方団体によって行われます。
ちなみに「防災の日」は、大正12(1923)年9月1日に発生した関東大震災が起きた日。
また、暦の上で台風が多いと古くから言い伝えられている二百十日に由来しているのだそう。
つまり「防災の日」は、関東大震災や阪神・淡路大震災、東日本大震災をはじめ、台風、こう水、豪雪、火山噴火、竜巻……による甚大な被害を最小限にとどめるため、日ごろからできることを確認しよう、という防災啓発運動の日なのです。

用具や備蓄品を買う前にチェックすべきこと

まず防災グッズを準備済み人も、そうでない人も、以下の項目をチェックしてみましょう。
❏壁の中に家具を固定する桟(さん)が入っている?
地震などによって転倒した家具の下敷きにならないよう、壁に家具を固定するのは周知の事実です。
L型金物を壁の桟に対して直角に家具の上部に置き、木ネジでとめて固定するのですが、木ネジは壁の桟に届かないと効果がありません。桟が入っていない場合は天井の強度を確認したうえで、突っ張り棒などを使い、天井の力で家具を支えます。このように、固定するための用具を買う前に家のつくりを確認することが大切なのです。
❏食料・飲料水の1人あたりの量と替え時は?
飲料水の保存目安は、1人1日3リットル×3日分。
食料も飲料水と同様に、3日分の非常食を目安に、アルファ米、ビスケット、フルーツや煮魚の缶詰、乾パンなど日持ちがよいものを用意しましょう。
ものにもよりますが、ミネラルウォーター、保存食ともに、賞味期限はだいたい3~5年と意外に長く日持ちするので、賞味期限を書いたメモを防災袋に貼っておけば、購入したあとに替え時が一目瞭然。
また、昨今の非常食は非常に進化していて、アルファ米においては混ぜご飯やおこわ、えびピラフ、チキンライス、ドライカレーなどもシリーズ化! 肝心の味もかなりレベルが高いと評判です。

地域の防災訓練に参加しておくと避難所や避難方法がわかって安心です
地域の防災訓練に参加しておくと避難所や避難方法がわかって安心です

飲料水がない、ねんざ・骨折した、電話が通じない。そんなときは?

前の段でご紹介したのは災害に遭う前にしておくべき対策でしたが、この段でご紹介するのは、災害に遭った時の対処法です。もしものときに困らないよう、事前に知識を蓄えておきましょう。
❏飲料水がないとき
飲料水はなくなってしまったが、かろうじて生活用水がある場合、生活用水が入ったバケツからきれいな布を伝って別の容器に水を移し替えると、布に汚れが附着し、ある程度きれいな水が得られます。
❏ねんざ、骨折したとき
ねんざの場合は、まず患部を冷やしましょう。
靴はそえ木代わりになるので、脱がずに靴をはいた状態で、三角きんや布などで固定します。
骨折の場合は傘やステッキ、硬い雑誌など骨折部分が動かないよう固定できるものをあてがいます。固定するものは、骨折部分の上下の関節より長いものを利用すると安定します。
❏携帯が通じず、携帯のバッテリーが切れてしまったとき
災害時には携帯電話が繋がりにくく、携帯を充電することもままならない状況が想定されます。
バッテリーが切れてしまうと、かけたい相手の番号もわからなくなってしまうため、家族が別々の場所にいるときに災害が発生した場合、どのように安否を確認しあうか、その方法を事前確認しておくことが重要です。
●連絡がとれないときの災害用伝言ダイヤルは、 局番なしの「171」
171に電話をかけ、安否情報や今いる場所等の伝言を録音。家族がその伝言を再生できるサービス

充電もままならない災害時は、かけたい番号もわからなくなってしまう可能性が
充電もままならない災害時は、かけたい番号もわからなくなってしまう可能性が

災害時、服用している薬がすぐわかるように

火山活動の噴火警戒レベルが「4」になった桜島では、いったん避難したものの「自宅に貴重品や薬をとりに一時帰宅したい」という多くの要望が寄せられました。およそ30分の一時帰宅が順番に実施されたという報道を見た人も多いのではないでしょうか。
こうしたことから、慢性疾患などで処方薬を常用している人は、以下のポイントを確認しておきましょう。
❏ 数日分の予備薬をカバンに入れ、外出時にも持ち歩くようにする。
❏ 予備薬と一緒に保険証&お薬手帳のコピーを財布などに入れておく。
避難生活が長引いて手持ちの薬がなくなった場合や自宅に帰れない場合を想定し、服用している薬の名前・種類がすぐわかるように、あらかじめ対応しておく。
❏ 有効期限が短い処方薬は、保管箱や非常用持ち出し袋に入れたままにせず、毎回処方してもらうたびに予備薬を入れ替える。市販薬も有効期限をチェックしておく。
しっかり防災と向き合うと、なんとなく知っている災害対策の知識に誤りがあったり、不足があることへの“気付き”になるかもしれません。明日の「防災の日」を機にいま一度、災害時の対策を見直してみてはどうでしょう。

処方薬を常用している人はいざというときに備え、しっかりと対策を
処方薬を常用している人はいざというときに備え、しっかりと対策を