風がどことなく秋めいてきましたね。秋と言えば、やっぱり映画。現在公開中の話題作「ジュラシック・ワールド」は言わずと知れたジュラシックパークの続編でシリーズ4作目。その他公開中の「マッドマックス 怒りのデスロード」「ターミネーター:新起動/ジェネシス」、12月公開予定の「スターウォーズ フォースの覚醒」…今年は70〜90年代大ヒット作続編の当たり年。さらに、続編の予定はないですが、今年は「バックトゥザフューチャー Part2」で描かれた未来世界の年。2015年に何か意味がありそうですね。

ハリウッドのガキ大将? ターミネーターのジェームス・キャメロン監督。

現在公開中の「ターミネーター」第1作第2作を監督したのはジェームス・キャメロン監督。映画歴代興業収入ベスト10に「タイタニック」「アバター」の2作品をランキングさせているハリウッドを代表する巨匠です。この他にも数々の作品(エイリアン2、アビスなど)を手がけています。ターミネーターは元々彼が脚本から手がけたオリジナル作品。作品の権利はもちろん彼にあり、2015年版の大ヒットで彼にも莫大な権利料が入るはず…と思いきや。彼の元には全く入らないそう。それでは一体誰に?彼は2番目の妻・映画プロデューサーのゲイル・アン・ハードになんとたった1ドルで譲り渡してしまったそう(慰謝料がわり⁉︎)。その後彼女も別の制作会社に権利を売却。この事によりターミネーター3以降の続編はジェームズ・キャメロンの関与なしで制作されているそうです。
ジェームス・キャメロン監督の現在の妻は、5人目で「タイタニック」に出演していた女優です。彼は出演女優やスタッフと恋に落ちてしまう事が多いとのこと(⁉︎)。映画を製作する毎に…は大袈裟ですが、4人の元妻達に支払った莫大な慰謝料には彼の大ヒット作群の興行収入が当てられているようです。
ちなみに2010年の第82回アカデミー賞監督賞オスカーを獲得したキャスリーン・ビグローは彼の3番目の妻。まだ記憶に新しいので覚えている方も多いと思いますが、彼女は180cm以上のスラリとした長身でとても美しい女性。まるで彼の映画に出てくる強い女性のキャラクターそのもの。そうなんです、彼はターミネーターの主人公サラ・コナー(演じたリンダ・ハミルトンは4番目の妻)やエイリアン2の主人公エレン・リプリーのような屈強で美しい女性に魅せられている男性なのです。プライベートと映画の中をまるで子供のように自由自在に行き来する(⁉︎)、映画の主人公を地でいってるような人物のようです。そんな彼が作った作品だからこそ、未来のSF映画なのにどこか人間味があふれていて、人々に愛され続け次々と続編を作りたい映画製作者達が名乗りを上げるのではないでしょうか。

思春期に第1作を観た少年達が満を持して憧れ映画の監督に。

公開中「ジュラシック・ワールド」の監督コリン・トレボロウ(彼はなんと2019公開予定の「スターウォーズ エピソード9」の監督にも決定している模様)は1976年生まれの38歳。第1作の「ジュラシック・パーク」ースティーブン・スピルバーグ監督ーが公開された1993年当時17歳。また、12月に公開予定の「スターウォーズ フォースの覚醒」の監督JJエイブラムスは1966年生まれの49歳。第1作の「スターウォーズ エピソード4」ージョージ・ルーカス監督ーが公開された1977年当時11歳で、立て続けに公開される1980年公開エピソード5・帝国の逆襲、1983年公開エピソード6・ジェダイの復讐(現副題・ジェダイの帰還)の間に多感な思春期を過ごし、多大な影響を受けました。
70年代終わりから90年代始めはスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスの黄金期(もちろん現在も大活躍中の両巨匠)、その頃映画館に詰めかけたティーンエイジャー達は、彼らの映画の崇拝者になりました。もちろん筆者も。
彼らに憧れて、映画の世界を目指した少年達がキャリアを積み、満を持して2015年に何十回何百回と観た映画の続編を、神と崇める監督達と共にメガホンを取る、まさに彼らが夢見た世界が2015年に叶ったのではないでしょうか。2015年は「バックトゥザフューチャー」(1985年公開)の主人公の高校生マーティンが夢見た明るい未来の年として「バックトゥザフューチャー2」(1989年公開)で展開される世界。
あの頃夢見た未来世界と、70年代〜90年代の大ヒット映画続編の当たり年となったのがどちらも2015年。リンクしている気がしませんか。ただキリがいい年、かもしれませんが。
ちなみに「バックトゥザフューチャー2」の中で描かれる2015年…誰ひとりスマホを持っていません。なんとまだFAXが大活躍し、情報源は新聞!1989年当時は誰もインターネットがこれほど爆発的に普及するとは予想していなかったのですね…。

リブート、主人公が別人、監督交代…ハリウッド映画に「寅さん」はあり得ない⁉︎

リブート映画、ご存知ですか。筆者も最近知ったのですが、過去の名作を物語・設定などを殆ど変えず新しく再構築し、作り上げた作品のことだそう。続編とは全く異なります。2014年公開のロボコップ、2012年公開のトータルリコール、などがそれにあたります。登場人物は現在活躍中の旬な俳優達に総取り替え、CGも格段に進歩しクリアな画面に。どちらも第1作公開当時は合成やCGが現在よりぎこちないですが、当時の最新技術を駆使した映像に観客達は度肝を抜かれました。現在はテレビ・スマホ・パソコンにクリアなCG映像があふれています。なんだか第1作の方が味わいがあり深みのある映像のような気がするのは筆者だけでしょうか。
公開中のマッドマックスシリーズ第4作目の「マッドマックス 怒りのデスロード」は、前3作品と同じ監督がメガホンを取っていますが、主人公のメル・ギブソンは、全く登場しません。現在59歳のメル・ギブソン、プライベートでの数々の奇行でほぼハリウッドから消えた存在となっています。
同じく公開中の「ミッションインポッシブル ローグネイション」は主人公は変わらずトム・クルーズが務めていますがミッションインポッシブルシリーズ全5作品全て異なる監督がメガホンを取っています。プロデューサーも兼務するトム・クルーズがいつも旬な監督を起用し観客を飽きさせないようにしているのかもしれませんね。
一口に続編と言っても、ハリウッドでは多種多様。「男はつらいよ」など、毎回変わらぬ山田洋次監督&渥美清コンビを安心して観ていた日本人にとっては、エッ、これが続編なの?と戸惑う事もありますが、制作背景や裏事情などを知ると「ハリウッド式」続編映画、楽しめそうですね。