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【平螺鈿背八角鏡】
へいらでんはいのはっかくきょう
唐時代・8世紀 正倉院宝物
背面に装飾を施した宝飾鏡の代表作。銅で作られ、花のような膨らみがある。琥珀(こはく)と螺鈿(らでん)を組み合わせて、宝相華(ほうそうげ)と呼ばれる、天上の世界に咲く空想の花を優雅に描き出している 【後期展示11月6~24日】(写真提供:特別展「正倉院の世界」)
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【竜首水瓶】
りゅうしゅすいびょう
飛鳥時代・7世紀
東京国立博物館(法隆寺献納宝物)
銅に金銀の鍍金(ときん)が施された水瓶。表面にはギリシャ・ローマ神話に由来する有翼馬(ゆうよくば)が表現されたり、注ぎ口は龍を模していたりと、シルクロードが通る諸国の造形表現が一作品に結集された古代金工美術の傑作【後期展示11月6~24日】(写真提供:特別展「正倉院の世界」)
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【螺鈿紫檀五絃琵琶】
らでんしたんのごげんびわ
紫檀をくりぬき、別材の腹板を当てた五絃琵琶。全体をウミガメの甲羅である玳瑁(たいまい)と螺鈿で装飾している。ラクダに乗り琵琶を演奏する人物が表現され、異国の音楽が伝わったことを象徴するようでもある 【前期展示10月14日~11月4日】(写真提供:特別展「正倉院の世界」)
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【黄熟香(蘭奢待)】
おうじゅくこう(らんじゃたい)
東南アジア 正倉院宝物
足利義政や織田信長らがこの香木を得たいと一部を切り取った天下の名香。蘭奢待とも呼ばれ、この名には「東」「大」「寺」の3文字が組み込まれている。いまだに香り高く近づく者を魅了し続けている【通期展示】(写真提供:特別展「正倉院の世界」)
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【紺夾纈絁几褥】
こんきょうけちあしぎぬのきじょく
奈良時代・8世紀 正倉院宝物
几褥と呼ばれる机に広げる敷物。2枚の薄い板に布を挟んで彫り抜いた模様の部分から染料を流し染めて作る夾纈という染色技法が使われている。枝葉が広がる果樹の下に蓮花座に乗った水鳥が鮮やかに表現されている【後期展示11月6~24日】(写真提供:特別展「正倉院の世界」)
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【紫檀金鈿柄香炉】
したんきんでんのえごうろ
香炉に持ち手の柄が付いた紫檀製の柄香炉。仏前にお香を供えるときなどに使う。炉や柄の部分は金象嵌で花や蝶などが表現され、花心には赤の伏彩色を施した水晶や青・緑色のガラスがはめられる。贅を尽くした逸品である(写真提供:宮内庁正倉院事務所)
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【衲御礼履】
のうのごらいり
爪先が反った、赤く染められた牛革製の靴。表面には真珠や水晶、色ガラスなどを用いた豪華な銀製鍍金の金具がつく。752(天平勝宝4)年に行われた大仏開眼供養のとき聖武天皇が履いたとされている(写真提供:宮内庁正倉院事務所)
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【赤漆文欟木御厨子】
せきしつぶんかんぼくのおんずし
観音開きの扉が付いたケヤキ製の戸棚。赤に着色された表面に、透明な漆を塗り重ねた赤漆技法で木目の美しさを際立たせている。天武天皇から、持統、文武、元正、聖武、孝謙と歴代天皇に受け継がれた非常に重要な品(写真提供:宮内庁正倉院事務所)
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【鳥毛立女屏風】
とりげりつじょのびょうぶ
全6扇が伝わり、いずれも樹の下に豊かに髪を結い上げた、ふくよかな女性が一人描かれている。着衣や樹木には日本産のヤマドリの羽毛が貼り付けられた。唐の風俗を反映した天平美人として知られている。写真は第1扇(写真提供:宮内庁正倉院事務所)
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