LinQのニューシングル「ハレハレ☆パレード」(4月29日リリース予定)
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LinQのニューシングル「ハレハレ☆パレード」(4月29日リリース予定)
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より
昨年10月開始の番組「LinQの顔と名前だけでも!」より

アイドルの楽曲」、「アイドルの振り付け」をテーマに、その世界の第一人者に貴重なお話をうかがってきた当コーナー。今回は「アイドルの番組づくり」をテーマに、スカパー!プレミアムサービス663chアイドル専門チャンネル「Pigoo」のディレクターである桂実(かつら・みのる)さんにご登場いただく。

 僕は、2013年春に香港で開かれた第1回KAWAII POP FESで桂さんと知り合った。初めての香港で心細いまま仕事をしていた僕に、日本語で話しかけてくれた。
「日本の方ですか?」
「そうです。つくばテレビから来ました」
「ぼくは日本の記者です。よろしくお願いします」
 挨拶や雑談が、一気に不安を吹っ飛ばしてくれた。以来、KAWAII POP FESでは毎回、親切にしていただいているのだが、不思議なことに、日本でじっくりお目にかかったことはなかった。いつかまとまった話をうかがえたらと思っていたところ、ついに絶好のチャンスが訪れた。
「取材されるのは初めてです。いつもは取材するほうだから、ご期待に沿えるかどうか……」とおっしゃっていたが、会話は気が付くと2時間を超えていた。ロケから戻ってきたばかりでお疲れだったであろうに、こちらは逆に思いっきりパワーをもらった気分だ。

――今日は何のロケだったんですか?

桂 アップアップガールズ(仮)の番組「アップアップガールズ(仮)」です。メンバーは佐藤(綾乃)、森(咲樹)、関根(梓)、佐保(明梨)の4人ですね。今回からリニューアルをしようということでスタジオ収録の部分を7人全員にして、ロケは少ない人数で行くことにしたんです。次は古川(小夏)、仙石(みなみ)、新井(愛瞳)でロケに出る予定です。

――集合、移動、撤収と、ずっとカメラを回しているんですか?

桂 いいえ。今回だと片道2時間移動で、実際にロケしているのは3時間ほどなので、その間だけですね。それを60分番組の1コーナーとして、まとめます。

――編集にあたって心がけていることは?

桂 自分が気になったところ、面白いところとファンの見たいところはある程度共通していると思うので、その抜き出し作業ですかね。取れ高がありすぎたときはそぎ落としになっちゃうので、いい場面を泣く泣くカットする場合もあります。あと大事なことは特定のメンバーを入れすぎずに、どのメンバーも均等に画面に出すこと。もちろん多少の差は出てしまいますが、まったく映らないメンバーがいるということはないようにしています。

――「アップアップガールズ(仮)」は始まって約4年が経ちますが、昨年はさらに「LinQの顔と名前だけでも!」がラインナップに加わりました。

桂 この番組は始まってから半年ぐらいになりますね。LinQの拠点は福岡なので、収録は2週間に1回、AKIBAカルチャーズ劇場(秋葉原)のレギュラー公演にあわせて、その前日とかにメンバーふたり呼んで撮ってます。「LinQの知名度を全宇宙に広めること」を番組コンセプトに掲げて、まずは日本の首都・東京の23区を毎月1区ずつ選んでロケをしています。ロケに協力して頂いたお店の方や通行人の方々に、毎回出演メンバーがCDやメンバー表を渡して地道に知名度を上げていっています。「応援するね!」とか「知ってるよ!」と温かいお言葉をもらえるとほっこりしますね。

――番組づくりで心がけていることは? LinQのどんな魅力を引き出したいと考えていますか?

桂 基本、自分たちの番組は1ディレクター制なんですが、この番組だけ隔月でディレクターを交代する2ディレクター制を採用しました。自分たちにとっては新しい試みではあるのですが、マンネリを解消したり、お互い刺激しあって制作できるのはなかなか面白いです。先に申し上げた通り出演メンバーが毎回2名なので、各々のキャラを精一杯引き出せるような企画を考えているつもりです。LinQという集合体にいる時の見え方とはまた違った見え方、意外性を引き出したいです。

――約半年間の中で、とくに強く印象に残った出来事は?

桂 1月の極寒のロケなのに、ブルマの格好で町を歩く伊藤麻希さんは周りから奇異な目で見られていておかしかったです。あと勝手にギター持ってきて、ロケ中ずっと持ち歩いていたのに結局オープニングとエンディングしか弾かなかった桜愛美さんもなかなかでした(笑)。

――今後、どんな感じで番組を進めていきますか?

桂 ムチャはもっとさせていきたいですね。そろそろ出演2回目になるメンバーも出てきますし、キャラも掴めているので容赦せず色々なことに挑戦させていきたいです。いままでも、初見の人に「新木さくらさん、こころさん(実の姉妹)のどっちがかわいい?」と聞いたり、愛の告白をさせたり、カイコやサソリを食べさせたり、考えてみると結構ムチャはさせているんですけどね(笑)。それ以上に、メンバー以外の出演者さん(街の人たち、お店の人など)との和やかな空気感は今後も大事にしていきたいです。

――桂さんは、この仕事に就く前からアイドル・ファンでしたか?

桂 全然違います。僕の学生時代は「アイドル冬の時代」だったんですよ。おニャン子クラブの時は小さすぎたし、モーニング娘。が出てきたときは大学生でしたから。今も自分がアイドル・ファンなのかどうかわからないですね。

――「アイドルが好きであるがゆえにアイドル業界と携わるようになった」男性は、僕の知る限り本当に少ないです。女性ではAKIBAカルチャーズ劇場の鈴木支配人など、すごい方が多々いらっしゃいますが。

桂 うちにも「アイドルが大好きだからアイドルの番組を作りたい」と集まってきた男が何人か来ましたけど、続かなかった。逆に僕は、まさかアイドルに関する仕事をするようになるとは思わないまま、もう15年もやってます。多感な10代や20代の子を素材に画を撮るのは面白いですよ。どんどん成長、変化していくので。通常、うちの番組は1年、2年で終わる。そしてまた新しい番組になると基本、1から始まる。学校の先生みたいな感じで、(番組の終わったアイドルを)送り出して、(新しいアイドルを)迎え入れる感じです。

――その中で、つくばテレビさんは現在のアイドル熱が高まる遥か前からアイドルを定期的にとりあげていました。2006年7月開始の「パッパッパッパッパッパッPerfume」は伝説です。メンバーがサンタの衣装を着たり、「エレベーター」のプロモビデオを作ったり、CD化されていない「カウンターアトラクション」を歌ったり。

桂 カラオケコーナーもありました(笑)。あれは、たまたま取材で見たスタッフが「この子たちは絶対に売れるからやりましょう」ということで、番組を作ったんですよ。番組が終わったのが2007年3月で、その後まもなく猛烈に売れ始めた。

――《ポリリズム》で、今考えても奇跡的なほど急激にブレイクしました。

桂 2009年から2011年まで、ももクロ(当時は、ももいろクローバー。いわゆる無印時代)関連の番組もありました。代々木公園の路上で歌ったときとか、取材に来ていたのはうち位じゃないかな。今、BELLRING少女ハートのディレクターをやっている田中(紘治)さんが、フリーの立場でディレクターを担当してくれました。すごく面白いアイデアを持っている方ですよ。壇蜜さんも、「スケジュールが空いているから」といわれて「壇蜜のエプロンディナー」(2012年10月~13年6月放送)という番組を作ったら、あっという間に人気が出てしまいました。[次回4/20(月)更新予定]

■アイドル専門チャンネルPigoo (スカパー!プレミアムサービス Ch.663)
http://pigoo.jp/pigoohd/
■ガールズエンタメ配信サイト pigg オンデマンド
http://ondemand.pigoo.jp/