平田オリザが読み解く中江兆民の傑作『三酔人経綸問答』が喝破する明治時代の政治思想の迷走ぶり 1847年に土佐で生まれ、幼少の頃に坂本龍馬に会ったという中江兆民。1871年にフランスに留学し、ルソーの『社会契約論』を漢文訳するなど、フランスの思想を広め、自由民権運動の理論的支柱となった。彼が書いた『三酔人経綸問答』について、平田オリザさんの『名著入門 日本近代文学50選』(朝日新書)から抜粋、再編集しその魅力を解説する。なお、『三酔人経綸問答』はNHKの番組「100分de名著」で、平田オリザさんを案内人に放送されている。 名著入門 12/4
平田オリザ “純文学作家・北杜夫”の圧倒的な才能 三島由紀夫が「戦後に書かれた最も重要な小説の一つ」と称賛した作品とは 北杜夫の作品と聞いてすぐに思い出されるのは、「どくとるマンボウ」シリーズのほのぼのとした雰囲気だろう。だが同時に、北は純文学作家でもあり、『夜と霧の隅で』では芥川賞を受賞している。純文学作家・北杜夫の代表作として、劇作家の平田オリザさんが挙げるのは『楡家の人びと』。あの三島由紀夫が「戦後最も重要な小説の一つ」と称賛するほどの名著だが、その魅力はどこにあるのか。朝日新書『名著入門』から一部抜粋、再編集。 北杜夫書籍朝日新聞出版の本名著入門 5/8
平田オリザ 低身長と戦地未経験…三島由紀夫を天才たらしめた「2つのコンプレックス」 三島由紀夫が戦後の日本文学を代表する作家であることは論を俟たない。1970年に陸上自衛隊市谷駐屯地で割腹自殺するまで、実に多くの作品をこの世に残した。その比類なき才能の源泉は、多々あった“コンプレックス”だともいわれる。劇作家の平田オリザさんは、三島の代表作『金閣寺』の根底には、三島特有のコンプレックスがあったと説く。(朝日新書『名著入門』から一部を抜粋、再編集) 新書書籍朝日新聞出版の本名著入門 5/7