「無名とか下っ端とかどうでもいいや」コンプレックスを抱えた女性経済学者がたどり着いた新境地
愛知県名古屋市にある南山大学経済学部准教授の小林佳世子さんは、2021年に初めての単著『最後通牒ゲームの謎』(日本評論社)を出した。「人間はどう行動するはずか」「行動すべきか」をベースに考えるのが伝統的な「経済学」で、実験などで調べたものをベースに実際の行動を議論するのが「行動経済学」である。両者はときに食い違う。その食い違いを徹底的に深掘りし、進化心理学や脳科学の最新成果も取り入れて「人間はなぜそう行動するのか」を論じたこの本は、その年の日経・経済図書文化賞を受けた。
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